23年度税制改正大綱(1、基本的な考え方) - 決算対策・税金対策 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
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23年度税制改正大綱(1、基本的な考え方)

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税制改正 平成23年度税制改正

16日、税制改正大綱が公表され、来年度の税制改正の詳細が明らかになった。

今日は、まず、今回の大綱の基本的な考え方についてご紹介しましょう。

 

1.税制改革の視点

22年度税制改正大綱で示した「納税者の立場に立ち「公平・透明・納得」の

税制を築くこと、「支え合い」のために必要な費用を分かち合うこと、

税制改革と社会保障制度改革を一体的にとらえること、グローバル化に

対応できる税制を考えること、地域主権改革を推進するための税制を構築

すること」との5つの視点や改革の方向性を踏まえ、納税者の理解・納得を

得ながら、税制改革を実行し、「この改革を通じて、セーフティネットの確立、

経済活性化、財政健全化の好循環を」促す。

 

2.平成23年度税制改正の基本的な考え方

(1)デフレ脱却と雇用のための経済活性化

「デフレから脱却し、日本経済を本格的な成長軌道に乗せていくため、

国内企業の国際競争力強化と外資系企業の立地を促進し、雇用と国内投資を

拡大する必要があります。このため、新成長戦略の一環として、平成23年度

税制改正において、課税ベースの拡大等と併せて、法人実効税率を5%

引き下げます。中小法人に対する軽減税率についても3%引き下げます。」

「また、雇用促進、環境関連投資、総合特区制度・アジア拠点化等を推進

するための政策税制措置等を講じます。」

 

(2)格差拡大とその固定化の是正

「国民が安心して暮らせる「支え合いと活気ある社会」を実現するためには、

格差の拡大とその固定化を食い止めることが重要な課題であり、そのために、

社会保障制度と併せて、税制における再分配機能の回復を図る必要があります。

平成23年度税制改正では、所得税における諸控除の見直しや相続税における

控除や税率構造の見直しにより、税制の累進構造の回復を図ります。」

 

(3)納税者・生活者の視点からの改革

「「納税者権利権章」の制定等の納税環境整備の推進や、寄附金税制の拡充等を

行います。」「地球温暖化対策の税を導入します。」

 

(4)地方税の充実と住民自治の確立に向けた地方税制度改革

「地域主権改革を推進する中で、地方がその役割を十分に果たすため、地方税

を充実し、税源の偏在性が少なく、税収が安定的な地方税体系を構築して

いきます。」「地方税制度を、「自主的な判断」と「執行の責任」を拡大する

方向で抜本的に改革」します。

 

3.税制抜本改革に向けて~社会保障と税制の一体化~

「社会保障は、財政の最大支出項目であり、更なる高齢化により今後も

歳出の拡大が見込まれるとともに、極めて重要な成長分野です。同時に、

信頼できる社会保障制度が確立されることで、国民は安心して消費を

拡大することが可能となります。

このような観点から、社会保障改革とその財源確保について、消費税を含む

税制全体の議論を一体的に行うことが不可欠であり」、そのため、

政府・与党社会保障改革検討本部を設置しました。

「社会保障の安定・強化のための具体的な制度改革案とその必要財源の

安定的確保と財政健全化を同時に達成するための税制改革について一体的に

検討を進め、その実現に向けた工程表とあわせ、平成23年度半ばまでに

成果を得、国民的な合意を得た上でその実現を図ることが決定されました。」

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