先日、町田にあるラーメンの有名店に行きました。(女性スタッフだけのお店・・・といえば、わかる人はわかってしまいますね・・・)
ラーメンの味はもちろん評判通りでとてもおいしかったのですが、感心したのはその接客でした。最近接客が素晴らしいお店は多いですが、このお店では一つ一つの言葉や振る舞いから、とにかくお客さんに対する感謝の心が伝わってくるのです。
例えばハキハキした応対だったり、食べ終わった丼ぶりを上げた時にお礼を言われることはよくあると思いますが、そのあたりの事はもちろん、ラーメン店ですから飲み水なんてセルフサービスで当たり前と思うのですが、お客が自分でお水を注ぐといちいち「恐れ入ります、申し訳ありません」と声がかかります。私はどんなお店でも布巾が置いてあれば必ずテーブルやカウンターを拭いていくのですが、いつも通りにしていると「そんなご丁寧にして頂いてすみません」と言われました。周りのお客さんを見ていても、内容は違いますが同じようなやり取りが諸々ありました。
何となくいい気分になっての帰り道、他のお店の接客と何が違うのかを考えたのですが、気づいたのは感謝の「気持ち」を表現する「言葉」の量が圧倒的に多いのではないか、ということでした。
きっとどんなお店でもお客さんに対する感謝の気持ちは持っていると思いますが、すべての感謝を相手に伝わるように表現しているかというと、なかなかそうはできていないと思います。
私たちの仕事でも日常生活でも同じで、自分の「心」や「感情」を相手に伝えられないことは多いと思いますが、やっぱり言葉や振る舞いで表す「表現」が足りないのだと思います。もちろん相手に伝わらない方が良い感情もありますが、本当に相手への感謝や気遣いがあるならば、「心で思っているだけでなく形に表してきちんと表現する」ということの大切さを感じました。
一方で「それが自分に出来るかなぁ・・・?」と思うとなかなか難しいことで、それを実行しているお店のすごさ、素晴らしさに改めて感心しています。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
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