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閲覧数順 2024年04月26日更新

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「奇抜な採用基準」には意味があるのか

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 私の思い・考え

 その人の学歴で採用の合否を分けることを、「学歴フィルター」などと言いますが、それだけではないにしろ、意外に多くの企業で、採用の際の判断基準の一つになっているのではないかと思います。

 

 私がいろいろな企業の採用活動をお手伝いする中で、その会社としてあまり表には見せませんが、学歴フィルターなどのさらに上をいく、その会社独自の“奇抜な”採用基準を持つ会社があります。

 

 ある会社では、「長男、長女をできるだけ採用しない」というところがありました。わがままで打たれ弱く、早期離職をする人には長男、長女が多いのだそうです。私は自分が長男なので、その基準にはちょっと偏見を感じました。

 

 またある会社では、「食事マナーは家庭環境、教育、その他万事に通じる」といって、面接の場で“箸の使い方”をテストしているところがありました。

 その試験を受けて入社した社員に、あとから話を聞いてみると、「箸の持ち方や使い方の良し悪しを見られているのは明らかなので、気を付けてきちんとやりました」とのことで、あまり試験をする意味はなかったようです。

 

 また、これは伝え聞きなので、本当の話なのかは定かではありませんが、最終面接前の候補者を、必ず回転寿司店に連れていくという会社の話がありました。注文するネタの順番が、その人の性格や仕事ぶりを見極める材料になるのだそうです。「本当だろうか?」と思ってしまいます。

 

 さらに、採用試験時の昼食にお弁当を出し、食べ終わるのが早い上位3名は必ず採用するという会社の話も聞きました。

 緊張の中でも食欲がある人は精神的に強く、早く食べられるのは胃腸が丈夫で体力があるそうで、このおかげで心身ともに強い人が選べるそうです。あえてノドの通りが悪そうなお弁当メニューを選ぶともいっていました。

 

 こういう話から思い起こすのは、血液型の性格診断です。私は意外に信じていたりしますが、科学的根拠はないと言われます。

 これはうちの妻ですが、出産時に血液検査をしたところ、本人がそれまで思っていた血液型とは違っていました。過去の検査が誤りだったようです。

 そうなると、それまで見ていた血液型での性格診断や占いは、本来とは違う所を見ていたにもかかわらず、それには納得していたことになります。私も自分以外の血液型占いを見ていて、何となく自分にも当てはまる気がします。

 

 人間は自分の仮説に合うことを象徴的に捉えるところがあり、心理学用語で「スキーマ」といわれます。一種の思い込みのようなもので、仮に自分とは関係ないものを見ていても、自分に合致するところを見つけて、「当たっている」となるのでしょう。

 

 私は、「奇抜な採用基準」が悪いとは思いません。会社と応募者の相性を見るには主観的なものも必要ですし、それに合致していることによって、会社がその人を安心して迎え入れられるなら、それはそれで良いのだと思います。

 

 しかし、これらのことを、「人を見る目があるか」という観点で見ると、残念ながらそうではありません。「奇抜な採用基準」は、やはり主観的な思い込みが多いですし、もし応募者がこれを知ったら、まったく納得できないでしょう。

 ただ、自分たちの会社に合う人材を選ぶという意味では、そこに主観があるのは仕方ありません。

 

 人それぞれ、会社それぞれにいろいろな見方がありますが、「奇抜な採用基準」には多くの主観が入っていることには自覚が必要です。

 もしそれで本来採用すべき人材を遠ざけているとしたら、やはり考え直さなければなりません。

 

 

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