プログラミング教育について考える～CoderDojo共同創業者にお会いして～

5月27日にCoderDojo共同創業者　Bill Liao（ビル・リャオ）氏にお会いしました

 日本でも2020年度から小学校でプログラミングが必修となり、学習塾での取り組みも進んでいます。プログラミング教育の中には、運営者や企業のボランティアによって成り立っているものもあります。その一つが、CoderDojo（コーダー道場）です。

　アイルランド第二の都市コーク市発祥で、日本では１６９か所、世界では２０００か所といわれています。コーク市は人口１９万人余りで山口市と同規模です。コーク市には少なくとも１５か所の道場がありますが、山口市にはなく山口県内では光市と宇部市の２か所にあります。

CoderDojoは、先生が生徒を教えるという形式ではありません。

プログラミングの力を身につけたい子ども（ニンジャ）が、自分なりに課題を考えます。わからないことは、ネットで調べたりメンターに質問します。メンターはプログラミングの専門家もいれば、子どもの参加枠を確保するためにメンター登録した保護者もいます。

課題が分からない初めてのニンジャは、初心者向けの本を読んだり、基礎が分かるボードゲームで運営者と一緒に遊んだりして、少しずつ学びます。広島のCoderDojo紙屋町では、大人向けの講習会も同時開催され、プログラミングに全く接したことのない保護者にも好評です。

CoderDojoでは、主にScratch（スクラッチ）という無料のプログラミングソフトを使います。日本語で「前進」とか「右に曲がる」といった指示が書かれたパズルを組み立てるだけで、キャラクターを動かすことができます。遊びながらプログラミングが学べます。

うちの長男がプログラミングに興味を持つようになったのは、

小学校4年生の時でした。たまたま東急ハンズで見かけたRobotist（ロボティスト）というおもちゃに夢中になったのがきっかけでした。プログラミングが必要ということを知らずに購入したのですが、組み立てたロボットを動かすためにStudino（スタディーノ）というプログラミングソフトが必要でした。

はじめは、ブロックプログラミングでプログラムを作っていたのですが、Studinoはブロックで作ったプログラムをArduino（アルドゥイーノ）というプログラミング言語に変換することもできました。そこでもっといろんなことをやってみたくなり、電子工作に夢中になり、様々なプログラミング言語を使って、プログラミングをするようになりました。

当時はラズベリーパイという6,000円ぐらいのパソコンに500円ぐらいのキーボード、ディスプレイはテレビにつなぐという環境でした。その後、3Dプリンターに夢中になったり、Unityでゲームを作ったり、You tubeに動画編集したものを投稿したりし始めました。パソコンに非常に負荷のかかるグラッフィック作業が多かったので、今ではかなりスペックの高いパソコンを使用しています。

中学校の部活にはパソコン部はないため、CoderDojoでメンターに質問したり、専門書を貸していただいたり、Progate（プロゲート）という基礎からプログラミングを学べるサービスを無料で提供していただいたり、同じ年のプログラミングが得意な子と出会いお互いに作品を発表しあって刺激をいただけるのが非常にありがたいです。長男の居場所ができて大変良かったと感じています。

学校教育のしくみを変えなくても、教育に影響を与えることができる。

ビル・リャオ氏も、学校教育の仕組みを変えることにはすごくエネルギーが必要で時間がかかるけど、学校教育の仕組み以外でできることを続ければ、その行動によって学校教育に影響を与えることができると言われました。国が違えども、持っている課題は同じようなものかもしれません。

プログラミング教育は、気軽にかかわることができ、場所の遠近や障がいの有無にかかわらず活躍ができる場が広がります。お金の多少にかかわらず起業できたりします。よい時代になったと感じました。