「貯蓄保険、販売停止相次ぐ」
1月11日の日本経済新聞にて、「貯蓄保険、販売停止相次ぐ」という記事がありました。保険会社も預かった保険料でお金をふやすことがなかなか大変になってきたようです。雑誌などで評価される貯蓄性の高い保険であっても、リスクを背負うのに見合った利益が得られないようであれば、保険会社は販売できません。よって、どんなに魅力的な商品であっても、同じものがずっとある保証はないのです。
ここで、主な国の国債の利回りを見ていきましょう。
|
10年満期 |
20年満期 |
30年満期 |
|||
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本日 |
1年前 |
本日 |
1年前 |
本日 |
1年前 |
日本 |
0.27% |
0.62% |
1.03% |
1.48% |
1.23% |
1.71% |
アメリカ |
1.73% |
2.69% |
― |
2.03% |
3.63% |
|
ドイツ |
0.36% |
1.71% |
0.77% |
1.70% |
1.03% |
2.52% |
(日本銀行・ドイツ連邦銀行・ヤフーファイナンス・ブルームバーグ各ホームページ参照)
1年前と比較しても、利回りがかなり低くなっていることが分かります。さすがに30年満期のものはそれなりに利回りが高いのですが、30年後のお金の価値を上の図の利回りで守れるかといわれると、とても悩ましいのではないでしょうか。
保険会社はリスクを背負っている。
保険会社は、保険の加入者のお金を主に国債などの債券でふやしています。長期的にしかも安全にふやすためです。とはいうものの、加入者に約束した利回り(予定利率)を債券だけで稼げない時は、株式や不動産などへ投資します。株式や不動産などへの投資には、元本割れや投資先の価値の低下といったリスクも出てきます。私たちが安全だと思っているお金のふやし方は、保険会社などがリスクを背負っているから成り立っているのです。
保険に入る前に、
じっくりとこれからの将来について考えること、そして、お金の全体像を時間軸も含めしっかりと考えてくれる、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをお勧めします。そのうえで、もし魅力的に感じるものがあれば、ご検討されてはいかがでしょうか。
このコラムの執筆専門家
- 上津原 章
- (山口県 / ファイナンシャルプランナー)
- 上津原マネークリニック お客様相談室長
心とお金が豊かになるライフプランを一緒に作成しませんか。
「上津原マネークリニック」という名前には、お金の無理やストレスのない「健やかな」暮らしを応援したい、という思いがこもっています。お客様の「ライフプラン設計」を第一に、また「長いお付き合いを」と考え顧問スタイルでライフプランを提案します。
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