「自己裁量の程度」で変わる働く時間の感じ方
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あるブログを読んでいる中で同じようなことが書いてあり、なるほどと納得したことです。
私が会社に在籍している頃は、自分がプライベートと考える時間に仕事が入り込んでくることがイヤでたまりませんでした。毎日の定時後も週末の休日も、そこが仕事にならないようにするために、できる限りのことを考えていました。
もちろん相応の責任感を持って仕事をしていましたが、一方で自分の時間を会社に奪われたくないという思いは常にあり、その時の状況によってはよけいなことに手を出さない、適当にサボるなど、真面目に働いているとは言えないこともありました。
それが独立した今では、全く感覚が変わっています。仕事とプライベートという境目をはっきりさせることが難しく、区別をすること自体あまり意味をなさなくなっているので、いつが仕事でいつがプライベートということはあまり考えなくなりました。
働いている時間も、たぶん会社員時代に比べて圧倒的に長いと思いますが、実感としてあまりそうは感じません。どちらかというと、会社員時代の方がよほど一日は長かった気がします。
そこの違いはただ一つ「自己裁量の程度」です。今はほぼ100%自分の裁量で動きます。時間もスケジュールもその時にやる内容もすべて、取引先だって選ぼうと思えば自分次第です。
でも会社員時代はそうはいきません。勤務時間も休日も決まっているし、もちろん仕事内容も自分の好き勝手に選べるわけがありません。私はいちおう組織上の役職もあったので、任されている部分は多い方だったと思いますが、それでも自己裁量の比率を表現すると、50%に行っていたのだろうかという程度に感じます。
実は人間は、人に命令されて動くことは絶対になく、仮に命令されたとしても、「この命令には従っておこう」と“自分で決めて”動くのだそうです。もしもその命令が自分の意志と離れているなど、自己裁量を制限されるような状態があると、人は拘束感を持ち、それが不満となっていつか爆発します。
創業社長など、自分が常に仕事中心でいた人は、ついつい社員にも自分と同じようなノリで仕事をさせようとすることがあります。ただ、社長は100%自分の裁量で動いているのに対し、社員たちにそこまでの裁量はありません。こうなると、社員にとっての働く時間の感覚は、社長のそれとは全然違うはずです。
働く中での「自己裁量の程度」というのは、いろいろな物事の感じ方につながる大事なことだとあらためて認識しておく必要があると思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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