伯父に関する相続放棄
数年前、私の父が亡くなった際、父は債務超過でしたので相続放棄を致しました。この度、父の兄である伯父が亡くなりましたが、この伯父も債務超過のようで、伯父の配偶者、子供(私の従兄等)は相続放棄するとのことです。
私は自分の父の相続放棄をしておりますが、この伯父分に関しても、あらためて相続放棄する必要があるのでしょうか。
孫三郎さん ( 東京都 / 男性 / 39歳 ) | 2008/08/01 18:26
相続放棄をする必要があります
孫三郎様、ほじめまして。
司法書士の高柳です。
ご質問に対する答えですが、お父様の相続の時に放棄をしても、伯父様の相続については、あらためて相続放棄をする必要があります。
民法939条には、「相続放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす」とあります。「その相続に関しては…」とあるように、お父様の相続については、相続放棄により相続人ではなくなりましたが、伯父様の相続については、お父様の相続とは別個のものであり、『孫三郎さんが伯父様の相続について相続人となるとき』は、新たに相続放棄が必要となります。
『孫三郎さんが伯父様の相続について相続人となるとき』と申し上げましたが、前提として伯父様の第一順位の相続人である子供全員が相続放棄し、家庭裁判所によって正式に受理され、かつ、第二順位の相続人である被相続人の尊属(孫三郎様のお祖父様等)がいない場合に、はじめて孫三郎さんが相続人となります。
よって、伯父様の債務を承継したくないのであれば、自己のために相続の開始があったことを知ったとき(上記のとおり先順位者の相続放棄等を知り、かつ、そのために自分が相続人となったことを知ったとき)から3ヵ月の熟慮期間内に、相続放棄の旨を家庭裁判所に申述しなければなりません。