大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
日本では上位の進学校におりましたが、それでもカナダの高校ではついていけませんでした。
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まだ肌寒いカナダの春のある日、こんなメッセージをいただきました。
「2年間の留学を経て日本に戻り再び遅れて高校生活をしている子どもがおります。
やはり現地の教育についていけず、卒業取得が難しいと判断し卒業年度を待たずに帰国しました。15年間も英語オンリーの生活をしてきた現地の子でも落ちるケースが多々あるのにお花畑な日本人が合格するわけはありません。
うちの子は日本では上位の進学校におりました。それでも現地の高校ではついていけませんでした。
もともと持ってる高い学力、日本人離れした強い精神力、高いコミュニケーション力・・・全てを兼ね備えていないと厳しいと思います。
日本の高校に外国人が来ると物珍しく皆親切にしてくれますが、海外ではそれが日常なので誰も構ってくれません。
クラスで配る予定だったお土産の菓子も全部自分で食べたそうです。
しかし、かなりの厳しい環境で2年間過ごしてパワーは最強で今は日本の高校生活をエンジョイしております。恐ろしいほどの出費はありましたが無駄じゃありませんでした。
英語が堪能になる事はありませんでしたが、日常生活は自立できるようになりました。それだけでもよかったです。
そう、能力がないうちは行ってはいけないと思います。そして、ダメだと思ったら戻る選択もあるし、それでも大きなステップアップです。
本人も留学で得たものは凄く大きいと言っています。今後社会に出た時にどんな壁にぶち当たっても乗り越えられる自信がついたと・・・それほど留学は厳しいものでした。
だから・・・日本に戻り再び学ぶことに対し負い目を感じたりしないで、母国でやり直す道も考えて欲しいと思います。
ただし、二度と留学はしない・・・のではなく大学進学後や社会人のなってから、自分自身の準備が出来れば、何度でもチャレンジすればよいと思ってます。
安易に留学を推し進める風潮に疑問を感じ書かせて頂きました。」
私自身も、1994年以来、声を上げ続けて来た「カナダ高校留学」の汚い裏側。
「留学せん事」という本も2004年に出版、騙される日本の高校生をひとりでも救いたいとカナダから発信しています。
2018、2019年と続けて「カナダ高校留学の実態eBook」を公開、多くの方にダウンロードしていただきました。
1998年、BC州のオンブズマンまで巻き込み訴えた受入学区のインチキさ。
結果「留学生にはカナダでは権利はありません」という回答でした。
「学区のやっていることの非人間的な様子はよくわかりましたが、州政府としてはカナダの国内法上出来ることはありません。」とのコメント付きで。
多額のお金をカナダに注ぎ込むにもかかわらず、適当に扱われる日本人高校生の多さに怒り心頭。
カナダ全土のSchool Districtに質問メールを発信したのが今年のことです。
「日本の生徒をどこまで大切に扱っていますか」質問です。
回答率は17%。
詳細は「カナダ高校留学受入学区調査報告」としてPDFファイルで公開中です。
「批判には回答しない!」という傲慢な学区などについても報告しています。
それでも、未だにカナダへの甘い高校留学を夢見る日本の高校生が多いです。
「でも、でも、卒業出来るって、エージェントが。。」
そんな時にいただいた貴重なメッセージです。
引用させていただけませんかとお願いしたところ
「ぜひ、みなさんへお伝えして下さい。
そんなに甘くない現実を!
こんな体験が何方かの役に立てば嬉しいです。」
ありがとうございます。
勇気あるメッセージと、現実を見据えた忠告と、前向きに進むことの大切さを伝えていただきました。
カナダ高校留学の先が見えず、立ち往生している日本人高校生のみなさん。
やり直しは決してマイナスではないですよ。
カナダ高校留学計画中のみなさん。
このメッセージの貴重な忠告を頭に叩き込んでから、もう一度考えて下さい。
「もともと持ってる高い学力、日本人離れした強い精神力、高いコミュニケーション力・・・全てを兼ね備えていないと厳しいと思います。」
ご相談もお受けしています。
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