大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
「語学学校に行くこと」を「留学」と呼ぶ自己満足
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「語学留学」という奇妙な日本語が徘徊し始めたのは一体いつからでしょうか。
例えば「語学留学しにカナダに行きます!」の意味は、専門的に英語言語を大学で研究することではないですね。
英語圏の国の正式な学校に通い、卒業証書をもらい、自分の専門知識・スキルを広げたり、就職に有利になったりするものではありません。
ただ単に「英語出来ない!」「英語の国に行ったら出来るようになるかも。。」「でも正式な学校には入る能力がないので、語学学校に行こう!」「そうだ、語学留学しよう!」かな?
または留学エージェントが「英語の出来ない日本人をカモにするビジネスプラン!」と考えた「語学留学」という言葉がそのまま1人歩きしているのかも知れませんね。
いずれにしても、「語学留学」なる普通の海外グループツアー程度の効果しか見込めない奇妙なものが、未だに日本では大流行のようです。
大学生も大好き「語学留学」
誰でもどんな低い能力の人でも留学エージェントがよだれを垂らして迎えてくれるからです。
日本の大学からの要請「うちの学生の語学留学の面倒をみてほしい」に応えて、おいしい授業料を逃したくない大学も、日本からグループで(何でいつもグループなんでしょうか?)やって来る英語の出来ない大学生用の特別にレベルを下げたコースを用意せざるを得ない始末です。
下記の質問に出会い絶句しました。
(質問)
高一で語学留学をしようと思っています。
オススメな会社、国はどこですか?
あと、語学学校行くのに、試験は必要ですか?
(回答)
「語学留学」という「留学」の概念は存在しません。
英語の出来ない日本人向けに作られた、団体海外ツアーのようなもの、単に日本人や他のアジア人を集め、初級の英語でお茶を濁すいわゆる日本によくある「英会話学校」に通うことを指します。
従って「留学」ではなく「グループ海外旅行+英語レッスン」と考えて下さい。
「お勧めな会社」「国」という概念は「グループ海外旅行」を計画するのと同じですよね。
「どこに行こうかなぁ」「どの代理店がいいかなぁ」
「留学」は自分の能力・適性・目的から国、学校も自分で選ぶべきです。
エージェントへのお任せは、正に「グループ海外旅行」そのものです。
「語学留学」した「語学学校」の「英語レッスン」を受けても、何の正式な資格にも単位にもならないことも、しっかり認識しておいて下さい。
英語レッスンのレベル自体も非常に低いので、もちろん誰でも参加可能です。
試験があるとすれば、各語学学校が入学時に受けさせるプレースメントテストがあるかも知れません。
それにより、「入るレベルを決める」と語学学校側は言っていますが、かなりいい加減なテストで、なるべく授業料が多く取れるコースの中に入れる仕組みになっています。
もともと英語能力・アカデミック能力が高く、日本の高校で優秀な成績を取っている学生は、「語学学校」で「語学留学」などはしません。
カナダなら、正式な大学のコースに入り、本当の意味の「留学」をします。
日本の高校を休んでまで通う価値はないですよ、語学学校には。
その分、日本の高校の学年が遅れますし、何の能力も身に付きません。
高校で留学希望であれば、正式なHigh Schoolに願書を出し、日本の成績を送り、入学することになります。
ただし、非常に難しいですからそれも理解しておいて下さい。
日本で十分準備し、日本でも成績優秀であることが必須です。
間違った選択をしないよう、自分の力で(エージェントに頼らず)「留学」について調べ尽くしてみることですね。
Good Luck!
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