対象:住宅・不動産トラブル
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私の母は、都内にマンションを持っており、ここ10年ほど、賃貸マンションとして貸しております。母は九州に住んでおり、私は都内に住んでおりますが、母が70才近くになるため、九州の自宅を処分し、現在貸しているマンションに引越ししたいと考えております。
賃貸の管理をお願いしている会社(A社)に、来年4月末に契約が切れるので、契約更新はしないこと、契約満了を以って借主様に退去していただきたい旨伝えたいと、ご連絡したところ、A社の今までの経験より、「借主側の仲介をしている不動産業者(B社)から、敷金の全額返金と立退料として家賃の4~5か月分を請求される可能性があります。」と伺いました。
契約途中における契約解除でないにもかかわらず、敷金全額+家賃の4~5倍というB社の要求は、妥当なのでしょうか?
家主は、借主が転勤等で退去するまで、じっと待っていなければならいのでしょうか?
契約満了で借主様に退去していただくために、何か方法はないのでしょうか?
たとえば、契約更新の際に、家賃を上げる、ということは可能なのでしょうか?
色々とご質問して申し訳ないのですが、ご教授いただければ、ありがたいです。
宜しくお願いいたします。
piroko0125さん ( 東京都 / 女性 / 44歳 )
回答:2件
田中 恵利子
不動産鑑定士
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大家さんからの立ち退き請求について
賃貸物件の契約(定期借家契約は除く)では、大家さんからの解約の申し入れ(退去勧告)は原則、更新日の1年前から6ヶ月前までに借家人に対して解約の申し入れが必要です。
また期間の定めがない場合には、解約申し入れから6ケ月経過したときに解約の効力が生ずるとされています
ただ、ご注意いただきたいのは、正当な理由なくして、契約の解約、立ち退きの要求をすることは難しいです。そのため大抵の大家さんはお金で解決します。
今回は自身で利用することとなると正当理由には該当しません。
今回のケースでは、契約内容の詳細はわかりませんが、賃借人へは立ち退きの最低でも6ヶ月前には告知する必要があります。
さらに、1.契約の要求の通知(文書で)
2.代替物件の斡旋仲介業者に似た物件の紹介を依頼する)
3.敷金の返還
4.原状回復工事の費用負担の免除
5.新規物件への引っ越し費用
6.新規物件を賃貸する場合の敷金・礼金等の相当額
7.その他迷惑料としての金銭など
賃借人の要求によってはさらに予定以上の出費もありえます。
すんなり退去してくれるかたもいれば、時間と費用を要するケースもあります。
・契約途中における契約解除でないにもかかわらず、敷金全額+家賃の4~5倍というB社の要求は、妥当なのでしょうか?
金銭で解決するなら、妥当な範囲ですね。交渉相手によってはこの範囲に収まらない場合もあります。
・家主は、借主が転勤等で退去するまで、じっと待っていなければならいのでしょうか?
じっと待つと何年先になるかはわかりません。本当に退去が必要であれば金銭で補償するのが近道です。
・たとえば、契約更新の際に、家賃を上げる、ということは可能なのでしょうか?
物件の立地にもよりますが家賃の値上げはこの経済情勢では難しいですね。
賃貸管理を任せている不動産会社さんに間に入ってもらい、交渉を地道に進めることをおすすめします。
お役にたてれば何よりです。
補足
法的には弁護士に立ち退き交渉を依頼する方法が正しいですが、弁護士報酬が立ち退き費用のほかに必要になるので、不動産会社に間に入ってもらい、穏便に交渉されることをおすすめします。
評価・お礼
piroko0125さん
2012/09/14 19:35田中先生
早速のアドバイス、誠にありがとうございます。
大変、わかりやすく的確にご説明いただき、納得しました。
実家の母と相談して、今後の方針について決めたいと思います。
ありがとうございました。
田中 恵利子
2012/09/16 13:09評価をいただきましてありがとうございます。
お母様とご相談の上、うまく解決されると良いですね。
良い方向で解決されることを祈っております。
三島木 英雄
ファイナンシャルプランナー
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賃貸の契約形態によります
piroko0125さま
賃貸の契約更新のことでお困りとのこと。
数年前から入居者保護というものが強まり、家主様の立場も
以前とは変わってきていますね。
まず賃貸契約には大きく2つあります。
・普通賃貸借契約
・定期借家契約
両方とも建物を貸す時に使う契約方法ですが
前者の「普通賃貸借契約」をpiroko0125様のお母様はされていると思います。
普通賃貸借契約においては、ほとんどの不動産会社が2年間の契約をしています。
その契約の解約条件ですが、借りている人からは1か月前の解約予告を出せば
解約できるのが普通です。
一方、家主から解約をするには「6か月前通知」+「正当な理由」
が必要となります。
問題は「正当な理由」です。
裁判の判例でも「家主が、やはり利用したいから」という理由は
正当な理由に足りない、となっています。
ですので通常はその不足分として引越料相当額を支払い和解するのが
多い事例です。
ただ、立ち退き料に決まりはなく、入居者が納得すれば1か月分の家賃でも
構わないわけであり、必ず敷金全額+家賃の4倍~5倍という訳ではありません。
上記の金額は何から来ているかと言いますと「引っ越しにかかる費用」が
概ね家賃の6か月程度かかるからです。
ただ、この賃貸の弱点はお互いに納得せず賃貸の期限を過ぎても
「自動更新」されてしまう点です。
家賃を値上げし、それなば出ますという入居者もいるかもしれませんが
入居者がその賃上げを納得しなければ「供託」という方法があり
その間、裁判などで争います。
このように普通賃貸借は「借主に相当に強い」契約形態です。
そのような事を避ける時に「定期借家契約」というものがあります。
こちらはあらかじめ期間が定められておりますが、マイナス点として
期間が来たら原則終わりなので、もう少し借りていてほしかった・・・などが
思うようにいきません。
通常転勤などで、帰ってくる時期が決まっている場合はこのような
定期借家契約をして、立ち退き料などが発生ししないようにしています。
入居者様と穏便な会話の流れで、敷金全額返金程度で収まると良いですね。
ご参考になりましたら幸いです。
株式会社FPリサーチパートナーズ
http://www.fp-research.jp/
補足
実務では不動産会社が立ち退き交渉を代理して行うことが多いのですが
本来は弁護士でなければできません。
家主様から直接入居者に交渉すること自体は当事者間の問題ですから
大丈夫ですが、不動産会社に依頼する際は事を少しでも早く済まそうとしますから
結果として、支払う立ち退き料が高額になりがちです。
評価・お礼
piroko0125さん
2012/09/14 19:45三島木先生
賃貸契約に関する情報、誠にありがとうございます。
本物件は、「普通賃貸借契約」です。
「定期借家契約」との相違点をご説明くださり、ありがとうございました。
今まで、知りませんでした。勉強になりました。
実家の母と相談して、今後の方針について決めたいと思います。
ありがとうございました。
三島木 英雄
2012/09/15 12:02piroko0125さま
評価頂きまして有難うございます。
お母様とご相談されて、いい結果を出していただけると幸いです。
不動産会社さんは入居者さんと接点が近い部分もありますから
上手に利用できる部分は上手に不動産屋さんも巻き込みながら
あまりストレスに感じないようにお話をすすめてみて下さい。
(現在のポイント:-pt)
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