- 真鍋 貴臣
- 香洋ファイナンシャル・プランニング事務所 代表者
- 香川県
- ファイナンシャルプランナー
対象:家計・ライフプラン
ミクロ経済学には「リスク愛好的」とか「リスク回避的」といった言葉が出てきます。
ここでいう「リスク」とは不確実性のことを指します(けして「危険」ではありません)
この「リスク」に対するスタンスを説明する場合、以下のようなケースが引き合いに出されます。
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100円のくじ引きがある。
このくじ引きは、50%の確率ではずれ(返金なし)、50%の確率であたり(200円)となる。
リスク愛好的な場合は「くじを買う」
リスク回避的な場合は「くじを買わない」
となる。
ちなみに、期待値を考えた場合
(0円×50%)+(200円×50%)=100円
となるので、リスク中立的なら「どっちでもいっしょ」となる。
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さて、ここで自分自身を考えた場合、私は確実に「リスク回避的」な人間です。
あえてこのくじ引きをしないといけないのであれば、確立を上げる努力をするか、もしくは小さい金額でやろうとします。
会社経営で考えても、不確実性の高い仕入や、回収までに時間のかかる設備投資についてはまずやりません。
あるいは非常に慎重だと思います。
これは自分の投資方針などにも現れていて、自分でやっているものは債券か指標連動型の長期積立投資、あるいは元本確定型の商品ばかりです。
逆に、リスク愛好型の投資(FXや個別株式、ブルベア型の投資信託)などは、「今が買いだ!」と思っても手を出しません。
さて、将来の資産形成を考える上で、実はこの「リスク」についての考え方は非常に大きなウェイトを占めています。
というのも、「リスク愛好的なひとはリスクを取りたがる」「リスク回避的なひとはリスクを避けたがる」という性質は改善できるものではなく、それぞれの性格に合った方法で取り組まないと、「自分のやっている方法が続かない」という悲劇を生んでしまうからです。
リスクを取る運用には「くじけずやり続ける」ハートの強さが必要だと思いますし、リスクを避ける運用には「耐え続ける」我慢強さが必要だと思います。
しかし、往々にしてそれぞれに求められる性格は真逆の場合が多いのです。
資産運用相談の際には、かならずご自身が「リスク愛好的」か「リスク回避的」かを見極めてからお越しください。
(あるいはFPと一緒に診断してみてください)
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