- 平 仁
- ABC税理士法人 税理士
- 東京都
- 税理士
対象:税務・確定申告
- 平 仁
- (税理士)
自民党税調は18日、民主党が政府税調に固執したことの反省を受けて、
旧政権時代同様、党税調主導の税制改正論議とする方針を固めた。
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-121218X820.html
民主党が党税調を廃し政府税調に税制改正論議を一本化したのは、
議論の透明性を高めることも目的としていたと思われるが、
自民税調の中心構成メンバーによるインナーも復活させるということは、
改正論議が表に見えにくい構造を持つことになろう。
かつて平成16年税制改正において、政府税調では年内の議論には
話題にすらしなかった土地建物等の譲渡損失の損益通算の禁止が、
自民税調で突如改正され、法律が可決された3月末以降ではなく、
1月1日にさかのぼって適用されたことを思い出して欲しい。
最高裁平成23年9月20日判決(民集65巻6号2756頁)、
最高裁平成23年9月30日判決(判タ1359号75頁)のいずれも
国民の予測可能性が図れない状況ではなかったとして、
12月17日に突如として公表された不利益改正を認めている。
私もここでも何度か書いていますし、詳しくは
拙稿「情報発信に伴う税理士の専門家責任」税法学561号(2009年)
を参照して頂きたいのですが、
「税調の委員でさえ、議論をしていない唐突に出てきた論点である
という認識があった」(拙稿、137頁)のですから、
オープンな議論の場ではない税調インナーの復活に不安を感じます。
一度下野した自民党がかつてのようなやりたい放題に戻るとは
思えませんが、自民税調がどのような議論をしたのかを、
HP上で議事要旨でも公開して頂きたいものです。
政権復帰が現実となった安倍政権の舵取りが気になるところですが、
情報公開の迅速化(そんなに早くはなかったですが・・・)は
民主党政権の数少ない功績だっただけに、
時代の針を戻すことがないようにして頂きたいものです。
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