家族が増える時は増築を考えます。敷地には限りがありますから、間数が増えますと住環境としては悪くなります。日差しの入る部屋の前にもう一つ部屋を造ってしまうと、元の部屋は暗くなりますよね。
初めは暗くなったと感じていても、慣れてしまうとそれが普通になってしまう。でもそれは普通ではありません。
必要に迫られての増築ですので、多少お金が掛かっても増築はします。しかし、子供が独立して家を去っても、部屋を減らすことは中々出来ません。子供が出て行った後の部屋は子供の荷物で一杯ですので、減らすに減らせない実情があります。しかし、そこを何とかすれば元の快適な我が家に戻ります。リビングの上にあった子供部屋の床を抜いて、吹き抜けを造るだけでも、明るい解放感のあるリビングに生まれ変わります。昔の吹き抜けと云えば、「無駄で寒い」と云うのが定番でしたが、「憧れ」でもありました。
現在の家造りの断熱方法は10年前と目を見張るほど変わっています。吹き抜けが寒いのは欠陥工事と云っても過言ではありません。建物を建て替えする資金は無くても、少し発想を変えるだけで随分ゆとりのある贅沢な間取りを楽しむ事が出来ます。
また、リフォームは、闇雲に床や壁を取り除くのではなく、耐震診断を受診し取っても良い壁、補強しないといけない壁を把握した上で、行うべきです。阪神大震災の死者のうち9割は建物の下敷きになったのが原因でした。家が壊れるのであればその時一緒に死ねば良いと考えるもの潔いですが、残された肉親は一生悔やみ続ける事になります。
部屋を減らす事は、耐震改修の一つの手法でもあります。リフォームを考える時は必ず、建築士または耐震診断講習を受講した資格者に相談されることをお勧めします。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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経済的な熱損失計算(性能基準)で、次世代省エネ基準を取得できる提案をします。
構造等級3を基本にご相談いたします。木造三階建て等で行う応力度計算も自社で行いますので、意匠と構造の齟齬がありません。
また、IAU型免震住宅設計資格取得者として、免震住宅等の相談も行っています。
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