- 石崎 公子
- travessia 代表
- 東京都
- ヒキダシスト/Comunication Specialist
対象:老後・セカンドライフ
私が提供している新サービスの一つに、「大人の発表会」があります。
「大人の発表会」とは、自分の趣味などを披露する(=人に見てもらう)こと。
子どもの頃にワクワクドキドキした学芸会やピアノの発表会。
学生時代の文化祭。
誰もがきっと経験したことがあるでしょう。
その準備と当日は、充実感たっぷりで夢中になったことと思います。
けれども、大人になって家族ができたり、仕事が忙しくなったりして、そういうことは忘れがちになったり、遠くに置き去りにしてきた人も、多いに違いありません。
でも、“いい大人”になった今こそ、大人ならではの披露する場や自慢する場を作り上げてみよう!と提案し、その会場探しやプロデュースを行っています。
「大人の発表会」ネタは、大人になってから始めた趣味、若い頃からずっと続けてきていること、ひたすら集め続けてきたコレクションなど、なんでもあり。
発表会自体はもちろん、人に見てもらう場を作ることで、旧交を温めながら楽しいお酒が飲めたり、疎遠な人との再会が実現したり、家族や親戚などを集めてファミリーの絆を再確認できたり、と副次効果も捨てがたいものがあると思います。
この「大人の発表会」で、9月10日~11日、東京・池袋でアートの作品展を開催しました。
とは言うものの、この作品展は趣味の披露ではなく、発表者がライフワークとして開発に取り組んできたアートの披露。
趣味を披露する、という主旨からは少しはずれますが、お年寄りの幸せにつながる作品展です。
高齢化社会は今に始まったことではなく、社会問題としてどんどん深刻化しています。
この作品展開催の背景は、考えさせられることが多いので、少し紹介します。
発表者は、看護職として介護現場での15年の経験がある長瀬教子さん。
デイサービスや老人ホームなど、要支援・要介護のお年寄りが通う(または居住する)施設に働く職員にとって、お年寄りにどのように時間を過ごしてもらうかは大きなテーマだといいます。
ぬり絵や工作、脳トレと称した簡単な計算問題などが提供されることで、お年寄りの尊厳を損なうこともしばしばだそうです。
お年寄りの「子どもじみていてイヤだ」「こんなことはやりたくない」という声。
限られたコストの中で、いかに気持ちよく過ごしてもらうか?介護や介助のプロが、お年寄りにイキイキ過ごしてもらうためのノウハウは、職員個人の工夫次第という現実。
誰にでもできるような均一な手作業への不満が、意欲低下や認知症につながっていく様子を、職員は間近で見ていることもあり、熱心な職員ほど苦悩は大きいと言います。
そういう中で長瀬さんが注目したのは、不用品を活用するアート。
それも出来栄えが上質で実用的なもので、種類が無限大なのでネタ切れせず、お年寄りも職員も飽きることがないもの。
しかも要支援や要介護のお年寄りでもできるようなもの。
段ボールに花びらを植える(プランティング)という作業など、オリジナルアクティビティとして長瀬さんが開発し、自ら勤務する施設で取り入れた結果、そのアートにイキイキと取り組むお年寄りが増え、お年寄りの顔が輝くようになり、それ自体がハリとなっていくようになったそうです。少しづつ近隣施設(埼玉県内)にも導入されるようになりました。
そこで、開発したアートの多様性や、種類の豊富さを、より多くの人に見てもらいたいということで、「大人の発表会」がプロデュースし、9月10日~11日に東京・池袋で
「お年寄りの顔を輝かせたい
高齢者アートとプランティングフラワー展」を開催しました。
開催直前には新聞にも掲載されました。
来場者はほとんどが介護現場で働く人たち。とても熱心に説明を聞いたり、もっと学びたいという人まで。
作品展の模様は、「大人の発表会」サイトで、開催報告を掲載しているので、介護関係に関わる方にはぜひ知っていただければと思います。
このコラムに類似したコラム
年老いた時、身内に介護されることを喜びますか? 平川 裕貴 - マナー講師(2014/01/08 10:00)
同居家族の食事の用意って公的介護保険の対象外・・・ 平 仁 - 税理士(2013/05/21 11:25)
介護保険制度でサービスの見直し 植森 宏昌 - ファイナンシャルプランナー(2013/05/05 11:06)
医療ソーシャルワーカー(MSW)をサポート致します 齋藤 進一 - 建築家(2012/10/05 08:32)
終の棲家は賃貸がお勧め 吉野 充巨 - ファイナンシャルプランナー(2012/02/20 10:00)