公開会社と非公開会社 - 会社法・各種の法律 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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閲覧数順 2024年04月18日更新

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公開会社と非公開会社

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第2章 会社の基本構造

第1 公開会社と非公開会社

 事業承継が問題となる株式会社の多くは,比較的小規模な公開会社または非公開会社です。会社法上,公開会社とは,その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社のことをいいます(会社法2条5号)。

(定款案)

(株式の譲渡制限)

第○条 当会社の株式を譲渡により取得するには,当会社の承認を受けなければならない。

2 前項の承認機関は,○○○とする。

本書では,便宜上,公開会社でない株式会社のことを非公開会社または全部譲渡制限会社と呼ぶこととします。

譲渡制限の有無

全部なし

×

一部あり

全部あり

公開会社

非公開会社

全部譲渡制限会社

 定款作成にあたっては,非公開会社の場合にのみ認められるものが多数あります。会社法の定めるものは以下の通りです。

(ⅰ)設立時発行株式の総数は,発行可能株式総数の四分の一を下ることができないとの会社法37条3項の不適用(会社法37条3項但書)

(ⅱ)当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること(会社法108条1項9号)

(ⅲ)会社法105条1項各号に掲げる権利に関する事項について,株主ごとに異なる取扱いを行う旨(会社法109条2項)

(ⅳ)議決権制限株式の発行数制限の不適用(会社法115条参照)

(ⅴ)相続人等からの取得の特則(会社法162条)

(ⅵ)取締役会設置義務の不適用(会社法327条1項1号参照)

(ⅶ)取締役会設置会社の場合の監査役設置義務の不適用(会計参与を設置した場合)(会社法327条2項但書)

(ⅷ)取締役を株主に限定すること(会社法331条2項但書)

(ⅸ)取締役の任期を10年以内に伸長すること(会社法332条2項)

 これらの定款規定を定めることによって,非公開会社では,比較的自由に会社の基本構造を設計できるため,会社の実体や方向性に即した定款規定を整備しておくことが重要です。

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