- 吉野 充巨
- オフィスマイエフ・ピー 代表
- 東京都
- ファイナンシャルプランナー
対象:お金と資産の運用
週刊ダイヤモンド 9月15日号にマネー経済の歩き方で、山崎元さんが、吉本佳生氏の新刊「確率・統計でわかる「金融リスク」のからくり」(講談社ブルーバックス)を良書として紹介していましたので、購入し読み進んでいます。
わかりやすく、注意が必要で体感しにくい、金融の「リスク」について体感できる、正八面体のサイコロがついていて、組立て使用することでリスクが感じられる工夫もついています。また、ともすれば困惑することの多いリターンとリスクの関係、長期投資はリスクを低減しないこと等が解ります。
また、現在ブームの仕組み債について、「早期償還条項」や「ノックイン条件」の危険さが解りやすく説明されており、お客様から投資のご相談に与るファイナンシャル・プランナーへの警句になろうかと思います。
ノックインの営業トークの怖さとして、その条件多くは、日経225の価格が現在よりも20%下がった際に発効される、又は個別株式の価格が現在よりも30%下がる等に発効する等です。その様な事は極めて可能性の低い事態と購入者に納得させるトークにあります。
下図は、株価としては変動率が最も低いと思われる、TOPIXの年毎にリターンです。1992年~2011年の19年の内、1回は40%超の下落で、2回20%超の下落です。また、4回は-17%と-19%で4回有ります。従って個別株式で30%ダウンした価格でノックインする実限度は、ありえますと云うレベルです。
また、単年度16%の下落が2年続くと30%の下落になります。
我々FPが金融運用設計の授業でコールオプション、プットオプションの売りは、損失の上限が無いので、決して行わないように兆位されます。そのプットオプションの売りが組まれている証券を一般人に販売していることを認知していらっしゃいますか?
ぜひ窓口で販売している方、証券仲介を行っているファイナンシャル・プランナーにお薦めしたい本です。勿論投資で負け続けている方にもお薦めです。
処で、本に書かれている長期投資はリスクを低減しない話は、私の二項モデルを添えて、本サイトで紹介しました(本を購入する前に公開して置いて良かったです)
さて、その二項モデルで長期投資がリスクが増加することは認識しているのですが、それでも私が長期投資をお薦めする理由は
1.株式のリターンはGDPの成長と関係があり、その成長の成果は長期になればなるほどリターンが高くなります。ただ、この例に過去20年のTOPIX(日本株式)には当てはまりません。今後も難しいかも知れませんが、先に掲げた図のように反発するかも知れません。
2.平均への回帰というアノマリーに期待しています。これは行き過ぎた下落は元の戻る傾向が有ることに期待しています。
3.下図のように、国内外の株式と債券、4資産に分散することで、リターンをプラスにできると考えています。
4.夫々のアセットクラスでは、インデックスに連動するETF、又は同一資産クラスの中で20種類以上の分散したポートフォリオを組むことが前提としています。
5.そして、売買コストの増大が収益を損じてしまうからです。
6.二項モデルでリターンがベルカーブになるのですが、コストがかかれば掛るだけ平均が左側によります。(それだけプラス分が少なくなります)
従いまして、資産配分方針を決めて分散を図ったポートフォリオで長期投資を行う様お薦めしています。
face book ページ オフィス マイ エフ・ピーを開設しました。
http://www.facebook.com/#!/officemyfp
☆セミナーやご相談は根拠の明示及び実証データをもとにご説明します。
お気軽にお問い合わせください。
★毎月資産運用・ライフプランのセミナーを開催しています。
宜しければご参加ください
http://www.officemyfp.com/seminerannai.htm
文責
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP(R)
宅地建物取引主任者 (東京)第188140号
ロングステイ財団登録ロングステイアドバイザー
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
吉 野 充 巨
独立系顧問料制アドバイザーの紹介
http://profile.ne.jp/w/c-64005/
http://mbp-tokyo.com/officemyfp/column/12298/
http://www.officemyfp.com/komonryouseiadviser.html
『このコラム又は回答は、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
投資による損益はすべてご相談者及び読者ご自身に帰属いたします。
投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。
本コラムは、信頼できると判断した情報に基づき筆者が作成していますが、その情報の正確性若しくは信頼性について保証するものではありません。』
このコラムに類似したコラム
「グローバル国債ファンド」 荒川 雄一 - 投資アドバイザー(2024/03/14 14:49)
「オールアバウトの資産運用ガイドにも登録!」 荒川 雄一 - 投資アドバイザー(2013/03/23 12:04)
「ついに、貿易赤字1.6兆円に!」 荒川 雄一 - 投資アドバイザー(2013/02/22 15:52)
金融市場の動向を読み解く 講師真壁昭夫氏(東証アカデミーより)後編 吉野 充巨 - ファイナンシャルプランナー(2013/01/25 11:00)
「世界の上場投信(ETF)の残高最高!」 荒川 雄一 - 投資アドバイザー(2012/11/24 17:30)