- 金井 高志
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対象:企業法務
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Tポイントカードで顧客の医薬品購入履歴(ライフログ)を取得・利用
平成24年7月18日の朝日新聞の記事で、TSUTAYA(ツタヤ)を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)が、Tポイントカードを利用しているユーザーのライフログの一種である医薬品購入履歴(商品名等)を取得し、これをマーケティングに利用していることにつき問題があることが報じられています。
http://www.asahi.com/national/update/0717/NGY201207160032.html
(ネット上の報道記事なので既に削除されている可能性があることをご理解ください。平成24年7月17日)
医薬品の購入履歴でのアメリカで発生した事例
2012年1月頃、アメリカの大手ディスカウント百貨店チェーンが女子高生宅に、ゆりかご等の妊婦を対象としたクーポンを送ったところ、これを見た女子高生の父親が、「娘に妊娠することを勧めているのか!!」と激怒して、このチェーンに対してクレームを出したという事例があります。
この百貨店チェーンは、女子高生の妊娠検査薬の購入履歴(ライフログ)から、その女子高生が妊娠していると推測し、マーケティングの一環(行動ターゲティング広告)として、その女子高生に対してゆりかご等の妊婦を対象としたクーポン送付していました。
このアメリカの事例では、このチェーンが女子高生の購入履歴(ライフログ)から推測した通り、その女子高生は実際に妊娠していたことから、父親が後日そのチェーンに謝罪したことで終わったようです。
朝日新聞の記事によると、CCCは、医薬品の購入履歴(ライフログ)を、「品ぞろえの拡充、見直しに使う」としていることから、各顧客の購入履歴(ライフログ)を分析して、その顧客に対して、直接的に広告を送るような「行動ターゲティング広告」を行っていないようですので、Tポイントにおいて、アメリカのような具体的な事例は生じていないようです。
しかし、紹介したアメリカの事例のように、医薬品に関してCCCが「行動ターゲティング広告」を送るようになれば、アメリカと同様の問題が生じる可能性も否定できません。顧客の購入履歴(ライフログ)を利用する企業は注意が必要になると思います。
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