- 塚本 有紀
- フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
- 大阪府
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
オマールと日向夏、フランス産白アスパラガス添え
「エテルニテ」へ
大阪市西区靭本町2丁目5-12
http://www.restaurant-eternite.com/
アミューズはとろっと柔らかく甘いフォワ・グラのムースから。
もう白アスパラガスの季節になっていたのです。寒い寒いと思っているうちにも、季節はちゃんと移ってきているのだなあと実感しつつの、前菜スタート。
写真よりもよっぽと素敵な佇まいでした。
底にはバジルの香りのオリーヴ油、サイドにもバジルの香りのクリームチーズが添えられています。
かさごと春の山菜、菜の花のピュレ添え
ほんとにおいしいかさごでした。皮はぱりっとし、身はふわふわ。バターの味がすみずみまで行き届いています。時間も手もかけて焼かれているのが、ひしひしと伝わってきます。こごみ、うるい、たらの芽。様々な山菜が、少し苦い、かすかに苦い、ものすごく苦いと、強弱があって食べ進むのが楽しいのです。
素敵な完成度の料理です。
いつもはお肉のほうがより好きですが、今日は魚がとくにすばらしいと思いました。
フランス・ランド産小鳩のサルミソース
サルミソースsauce salmiはおもに野鳥の調理法で、殻や裁ち落としを白ワインやドゥミグラスで煮詰め、マッシュルームやトリュフを加えたソースのことで、ときに内蔵を使うことも、
ちょっとサラミソーセージ(白い粉のふいた本物のサラミにある独特の香り)のような香りもして、ソースは内蔵の味がするように思います。
添えはパネpanais(白にんじん)のキャラメリゼ。なるほど、パネの強いクセはキャラメリゼが向くのだと納得です。
同行してくださった方のメインは、ハンガリー産の乳飲み子羊の背肉のロースト。ものすごく悩みましたが、サービスの人の「子羊よりも優しい風味」という言葉に、私は結局小鳩に。
フランスで食べた乳飲み子羊は「優しい味わいそう」という予想を鮮やかに裏切り、鮮烈な強い風味があったと記憶しています。お母さんのお乳だけを飲んでいることが実感できる乳臭さ(もちろんマトンのような羊臭さではないのです)なのです。
身はまっしろで、かすかなピンク色の残る焼き色。少し味見させてもらいましたが、あっさりながら、とてもおいしいものでした。ちなみに子羊は草を食べれば食べるほど、身は赤さを増していきます。
ハンガリーもよかったですが、やっぱりフランスに行きたい!
いちごのアヴァン・デセール
いちごのスープ、いちごのソルベ、そしていちご飴!
なんてキュートなのかと、しばらく眺めてしまいます。今日のいちごは私の口にぴったりサイズだったようで、すべって齧るのがちょっと大変でした。でもその時間もまた楽し。
デザートは、おなかがいっぱいだったので、フランボワーズとヨーグルトのソルベに。
最後はミントとレモンバウムとレモングラスのハーブティを飲んだら、すっとすべてがおなかに収まりました。
レストランの内装はモダンでシンプル。とても静かな空間で、おいしくて美しいものをいただけるのはしみじみと幸せな時間でした。
エテルニテeterniteとはフランス語で、永遠とか不滅性という意味。靭公園のそば、ずっとこのまま素敵なレストランであり続けてほしいものです。
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