確定申告シーズンが始まりましたが、最近の私は「相続」です。
実例紹介された「相続の現場55例」(八木美代子・ダイヤモンド社)が
先月末に発売されました。
昨日は山野井友子行政書士の相続セミナーに参加してきました。
山野井先生の話は実例が中心で、非常に参考になりましたね。
明後日も内田麻由子税理士のご紹介で日本想続協会主催の相続セミナーに
参加して、武内優宏弁護士の話を聞いてきます。
さて、ちょっと変わった相続の事例をご紹介しましょう。
あるクライアント様が亡くなりましたが、お子様も配偶者も
いらっしゃらないので、法定相続権はご兄弟に移ります。
ご兄弟もすでに他界されており、姪と甥が2人いらっしゃいました。
故人は、ご自宅と棟続きでアパート経営をされていたのですが、
体調を崩されてからは、同じ市に住む姪が面倒を見ていました。
ただ、アパートしか財産がなく、アパートの修繕や医療費等で現預金が
あまり残っていない状況でしたので、揉めがちなケースです。
そこで、故人は遺言執行人を指定する形で公正証書遺言を作成しました。
故人は財産をすべて姪の娘に譲る旨の遺言をされたのですが、甥からすれば、
おじさんの財産から何も相続できず、納得できなかったのでしょう。
また、遺言執行人が姪の旦那だったことも、遠因かもしれません。
おじさんの財産を、姪に取られてしまったとお思いなのかもしれません。
法定相続分の2分の1は相続権が奪われない「遺留分」がございます。
しかし、遺留分は、配偶者・子ども・父母について認められる制度で、
ご兄弟には認められていないんですね。(民法1028条)
残念ながら、このケースでは、法定相続人は姪と甥だけですから、
遺留分が認められないんですね。
遺留分が認められないので、遺言執行人により遺言どおりの相続が
行われたわけですが、相続発生後しばらくは揉めてしまいました。
税額が出ない相続案件でしたが、相続は理屈よりも感情なので大変です。
お元気なうちに相続人を集めて意思を伝えられた方がいいと思いますよ。
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