健康問題の「閉鎖系思考」の弊害、具体的な例として腰痛があります。
以前にもご紹介しましたが、厚生統計協会が行っている統計調査「国民衛生の動向・厚生の指標」によると、有訴者率がもっとも高いのは腰痛です。この調査結果は、調査を始めた当初(1986年)から上位3位は変わっていません。
データが意味することは、これだけ医療が発展していても腰痛は、まったく減っていないと言う事実です。腰痛の捉え方や治療法が間違っていることを示唆しています。
近年の研究がそれを証明しつつありますが、詳細は「腰痛の今」シリーズでご紹介していますので、まとめた内容をご紹介しましょう。
<腰痛常識の非常識>
腰痛は老化が原因→腰痛の発症率が高いのは働き盛りの20〜40代。
腰痛は骨盤の歪みが原因→骨盤の非対称性と腰痛は関連がない。
腰痛は腰が反っているのが原因→腰部前弯の強弱と腰痛とは無関係
腰痛は分離症とすべり症が原因→腰痛との関連性はない。
腰痛は椎間板ヘルニアが原因→腰痛との関連性はない。
代表的な腰痛常識の非常識を挙げましたが、上記の間違った腰痛原因は、どれもカラダをその部位だけの「閉鎖系」で捉え、構造的、機械的にみた原因です。
最新研究により「閉鎖系思考」の矛盾が露呈しても、なおその説明を続けている現状が、腰痛の有症率が下がらない一因になっていると、私は考えています。
つづく。
山中英司
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このコラムの執筆専門家
- 山中 英司
- (カイロプラクター)
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「体は心の鏡」 体の解放は、心の解放からはじまります
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