- 村田 英幸
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対象:事業再生と承継・M&A
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2 遺産分割の手続
(1)手続の流れ
まず,遺言があれば,これに従い,遺言がない場合には,共同相続人間での協議となります(民法907条1項)。遺産分割協議が調わないとき,又は協議をすることができないときは,各共同相続人は,家庭裁判所に遺産分割調停の申立てをすることができます(家事審判法11条)。遺産分割調停を行っても相続人間の話し合いがまとまらない場合には,家事審判手続に移行し,遺産分割が行われることになります(家事審判法9条1項乙10号)。
遺産分割の家事審判に対しては,相続人又は利害関係人に即時抗告が許されています(家事審判規則111条)。即時抗告期間は審判の告知を受けた日から2週間とされています(家事審判法14条,家事審判規則17条)。相続人ごとに審判の告知を受けた日がそれぞれ異なる場合に,遺産分割審判が合一に確定すべきであることから,即時抗告期間をどのように考えるべきかという問題があります。この点,判例(最判平成15・11・13民集57巻10号1531頁)は,「各相続人への審判の告知の日が異なる場合における遺産の分割の審判に対する即時抗告期間については,相続人ごとに各自が審判の告知を受けた日から進行すると解するのが相当である。」としています。もっとも,この判例は,告知を受けた日のうち最も遅い日から全員について一律に進行すると解する見解及びこれに基づく取扱いが当時の家裁の実務において相当広く行われていたことを理由に,本件においては,例外的に即時抗告期間の追完(家事審判法7条)を認めて,即時抗告を適法としました。
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