- 松永 文夫
- FPコンサルティングオフィス 代表
- 東京都
- ファイナンシャルプランナー
対象:お金と資産の運用
今回はリターンとリスクについてご説明します。
まず、リターンとは得られる収益のことを言います。これは利息や配当などのインカムゲインと、値上がり益であるキャピタルゲインとに分けられます。
一方、運用の世界でリスクとは単に元本割れのことを指すのではなく、値動きの変動の幅(値上がり・値下がりの幅)もしくは将来の収益に対する不確実性のことをいいます。
すなわち、「リスクが大きい」とは、株式のように価格変動の幅が大きく将来の予測が難しいということを意味します。
そして一般的に、大きなリターンを得ようとするとリスクも大きくなり、小さなリスクしか取らない運用では小さなリターンしか得られません。
リターンが大きくてリスクが小さい金融商品などは絶対に存在しないのです。何故ならば、リターンとはリスクが生み出すものだからです。
リターンが大きくなければ、リスクの大きな商品には誰も投資しません。リスクが大きい商品は、それだけプレミアム(これをリスクプレミアムといいます)が必要とされるわけです。
これはリターンの大小はリスクプレミアムの大きさに依存するという考え方で、結果的にリターンとリスクは比例することになるのです。
このようにリターンがリスクに比例するとすれば、リスクを管理しておけばリターンは自ずと決まってくることになります。
この仕組みを理解することは非常に大切なことで、実は、資産運用とは正にリスク管理そのものだと言っても過言ではないのです。
リターンをどれだけ求めるかを考えることよりも、リスクをどのくらいまで許容できるかを考えることのほうが大切だということです。
そして、これは前回説明した「リスク許容度」を把握することでもあります。
今回最もお話したかったことは、「資産運用とはリスク管理そのものだ」ということです。
そのリスクの管理方法については次回ご説明します。
FPコンサルティングオフィス 代表 松永 文夫
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