- 小川 勇人
- 小川の家 代表取締役
- 長崎県
- 建築プロデューサー
対象:住宅設計・構造
日経新聞(12/4付、14面)に
住宅に潜む化学物質
「規制外」多く 注意を
という特集記事が掲載されていました。
住宅メーカーの殆どが消費者に説明・販売する
「シックハウス対策済み」とは、
国が定める物質がある条件下で指針値以下である、という意味です。
※入居後、健康被害が生じない、という意味ではない。
「小川の家」では、この夏、室内化学物質測定を実施しました。
この結果、愕然とする事実が判明しました。
それは、室内に使用されている建材は、まったくちがうにも拘わらず、
国の基準による測定結果は、殆ど同じ。
具体的には、自然素材(弊社)⇔新建材(某大手ハウスメーカー)です。
見た目、肌触り、そして何より、室内の空気はまったくちがいます。
だから、「当然、測定結果はちがうはず」と想定していました。
現実は、そうではありませんでした。
国の定める物質に関して言えば、殆ど差がありませんでした。
化学物質は次々と新しいものをつくりだすことができます。
シックハウス症候群に関して言えば、通常、(建物内に入り)体に違和感が生じても、一消費者、家族、住民がその原因を特定することは、ほぼ不可能です。
「シックハウスではないか?」と国の定める方法で検査したところで、指針値以下しか検出されない。
なぜなら、すでに、別の有害化学物質が使用されているから。
新建材を使い続ける限り、いたちごっこです。
消費者は、「シックハウス対策済み」と説明をうけ、
安心安全だと判断して購入(入居)する。
入居後、家族の誰かが体調不良になったとしても、
「あなたの体質の問題です」で片づけられる。
現在の日本では、法改正後の新築住宅では法令上「シックハウス」は存在しません。
ゆえに、法的には、販売元へ責任を追及しても問えない。
今後は、化学物質過敏症という健康被害者がより増えていくはずです。
※増加しているから、記事になる。
記事によると
ある建売住宅では70種検出例もあったそうです。
追伸:
記事のまとめは、
「冬場でも、寒くても、窓を開閉して、換気しましょう」
スポンサーに配慮せざるを得ない日本の大手マスメディアの本質です。
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