- 本多 由紀子
- OFFICE LAMP 代表 ホリスティックケア セラピスト
- 神奈川県
- ホリスティックケア セラピスト
私は今、ホライズン・スピリチュアル・ケア研究所で、「スピリチュアルケア論」を学んでいます。
スピリチュアケアの概念は欧米から輸入されたもの。
「世界保健機構(WHO)では、がん患者の受ける権利として、身体的ケア、社会的ケア、心理的ケア、さらにスピリチュアルなケアを受ける権利があると宣言しています。
スピリチュアルとは人間として生きることに関連した経験的一側面であり、身体感覚的な現象を超越した体験を表す言葉です。こうした体験を聞いてもらえる権利を誰もが持っていますが、聴く人(ケアワーカー)は専門的な訓練を受けなければならないケアです。スピリチュアルケアと宗教的ケアとは同じ意味ではありません。」(ホライズン・スピリチュアル・ケア研究所のパンフレットから)
病気の際に、人は身体的な苦痛だけでなく、精神的・社会的・霊的な苦痛を伴うもので、その全体的なケアが必要であるということです。
霊的ケアとは、魂・心が求めるニーズが満たされない時に痛みが起こり、心の叫びとなる。
その叫びに対応するケアが霊的ケア=スピリチュアルケアだとあります。
欧米のスピリチュアルケアワーカーの指導者は、神学を学んだ後に習得できる課程であるほど、長い学びと経験が必要です。
私の先生は牧師であり、ボストンで神学と心理学を学ばれ、ハワイでスピリチュアルケア論を修了された方です。
これを学ぶきっかけは、夫と父を癌で看取った経験と3月11日の東関東大震災でした。
病院は身体のケアをする場所だけでなはなく、心のケアが必要であると実感したからです。
日本にはまだ心のケアが位置付けられていません。
人が死と向き合った時に、「死について・魂の在り方について」もっと学ぶ機会があったら、死を怖がらずに、自分の最期をしっかりと自分自身で決められるのではないかと考えるのです。
欧米では、大学病院にメイクアップセラピーやフラワーエッセンス・アロマなどが取り入れられいて、患者を多方面からケアできるしくみがあると聞いています。
さらに言えば、病に付き添い、看取った家族も心のケアがなければならぬと願っています。
私の今があることも、「死について」学んでいたからこそです。
スピリチュアリズムに興味を持ち、学び始めた時に夫が癌であることがわかりました。
夫は、癌とわかって2カ月も経たぬうちに他界したので、その後の私の喪失感はずっと後にやってくるのですが、私を生かしてくれたものは、スピリチュアルリズムを学んでいたことによる死についての考え方と学びによって出会った友人らのスピリチュアルケアだったのです。
私が何度も読み返した本があります。
医学博士である 「エリザベス・キューブラー・ロス」著書の“永遠の別れ”です。悲しみを癒す知恵の書と紹介されています。
その本の中にこうあります。
「悲嘆の苦しみにどう対処していいかを知らないわれわれは、自分が回避しようとしているものが喪失のよる苦痛であることに気づかず、悲嘆そのものを回避してしまう。苦しみは、いくら回避しようとしても回避しきれない。しかい、悲嘆を回避することによって、悲嘆に秘められた癒す力に背を向けてしまい、その結果、悲しみの期間を長引かせてしまうのだ。」と。
悲嘆はこころの治癒に必要なプロセスと書いてあります。
さらにマザーテレサが著者に伝えた言葉あります。
「人生は成就です。そして死は、その成就の一部なのです。死にゆく人たちが必要としているのは思いやりと愛あるケアだけで、それ以外にはなにもありません。」
スピリチュアルケアという心のサポートがもっと日本に広まることを祈って、長い学びを続けて参りたいと思っています。
このコラムの執筆専門家
- 本多 由紀子
- (神奈川県 / ホリスティックケア セラピスト)
- OFFICE LAMP 代表 ホリスティックケア セラピスト
生きる力と無限の可能性を引き出すサポート
人は本来自分の中に「生きる力と無現の可能性」を持って生まれてきています。人生の様々な痛みの経験はそれを知らせるサイン。痛みの本質を知り癒し、経験を人生の喜びに変えていく。LAMPホリスティックケアは【肉体・精神の不調和】をサポートします。
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