「買い替えはどう進めたらいいですか?」
良くこんな質問受けます。
その際、こう聞き返します。
「どうしても欲しい物件があるのですか?」
もし答えが「ノー」ならば、
まずは売却を先行することをお勧めします。
購入物件を先に契約してしまえば、
欲しい物件は手に入るかもしれません。
これがメリットです。
しかし、購入する物件の金額をもとに資金計画を立てても、
売却が計画通りの金額で売れるとは限りません。
しかも、
「計画した金額で売れないからや~めた」
ということは出来ません(違約解除は出来ますけど)。
つまり想像していたよりも低い金額でしか売れず、
資金計画に変更が生じたとしても、
後戻りは出来ません。
これがデメリット。
整理すると、購入先行の場合・・・
メリット:その時欲しい物件は手に入る
デメリット:悪い方向に計画が進んでも途中下車は出来ない
ということです。
最初に売却をお勧めするのは、
「金額が確定出来れば、資金計画が狂うことはない。」
からです。
それは分かるけど・・・と言う人の一番の懸念は、
「予定していた金額で売れたはいいけど、
引き渡し日までに良い物件が見つからなかったら・・・」
ということです。
メリット:資金計画が崩れることはない、安心
デメリット:移り先が見つかるか心配
整理するとこんな感じです。
良い物件が見つかるまでダラダラと探すことは出来ません。
期日が決まっている中で、
購入物件を見つけなくてはいけないので、
不安に思われるかもしれません。
しかし、今までの経験上、
「必ずこの日までに物件を見つけるんだ!」
と、強い購入意欲を持ちながら物件を探して、
見つからなかったお客様は1組もありません。
「限られた期間で探すことで、
物件探しに集中することが出来て、
却って良い物件を手にすることが出来た」
と言うお客さんが多いです。
時間をかければかけた分、
良い物件が見つかると言う訳ではありません。
万一見つからなかったとしても、
引っ越しの手間はありますが、
一時的に賃貸に住んで、
納得するまでゆっくり物件を探すという選択肢もあります。
ギリギリの資金計画を立ててしまっている為、
「○○万円以上で売れないと困る!」
と、ノイローゼのようになって、
売却期間を過ごすのは、
精神衛生上あまり良いとは思えません。
結局想像していたより安くしか売れない!
と妥協しなければいけないことに比べたら、
売却先行で進める方が全然いいと思います。
もちろん、購入先行が100%悪いという訳ではありません。
購入を先行させた場合のリスクを、
根拠のある数字を元にシミュレーションし、
それを理解した上で、
「どうしてもこの物件が欲しい!」
というのであればいいと思います。
その際、大事なのは、
最悪の資金計画で考えることです。
甘い見積もりはけがの元です。
1.「欲しい物件を手に入れるメリット」
2.「予想通りに売れないリスク」
を天秤にかけて1.なら購入先行。
2.なら売却先行。
ということですね。
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