- 上田善隆
- オフィスゼンリュウ 代表
- 京都府
- 広告プランナー
対象:販促・プロモーション
- 山田 祐子
- (旅館・民宿プランナー)
- 山田 祐子
- (旅館・民宿プランナー)
宗教工芸という新聞があります。毎月1回郵送されてきます。発行部数は5000部と少ないのですが、内容が仏壇店の情報他、仏壇、位牌の開発情報、仏壇の歴史、仏教全般の話などとかなり充実しているので業界では深く読まれ、影響力があります。この新聞に広告を出すことになりました。一般の新聞と違って、驚くほど掲載料が安く、また記事の内容にも融通を利かせることができます。全ページ分の紙面を全面的に買い取って記事を書いたり、意見広告を載せたりと自由度が利くのです。僕が電通時代にやってみたいなということが案外と簡単にできてしまうのです。しかも電通時代なら媒体規模が大きい新聞を扱うので、営業部、マーケティング部、媒体部、クリエイティブディレクター、コピーライター、デザイナー等たくさんのスタッフが集まってプランを練り、時間をかけ知恵を絞りますが、この業界新聞では一人で考え新聞社と交渉し、実施するのです。言い換えれば自分の意見をいとも簡単に新聞に載せることができるのです。2ページ分をしかもカラーで買い取り、現代仏壇の意見広告を出すことにしました。2ページの下半分を純粋の広告紙面、右ページの上半分を新聞社取材記事、左ページ上半分を今日の仏壇考え方を記名で書くことにしました。これをすべて自分でプロデュースするのです。記事部分は宗教工芸社の専務(現社長)に自分の考えを話し、記事にしてもらいます。
このように悪く言えばマスコミを操作するということですが小さな業界だからこそできることなのです。こういう機会を得られたことでさらに深くこの業界のことを考えることができました。そして現代仏壇は、この媒体を通して規模は小さくても業界のリーディングカンパニーになれるのではと思いました。
電通を辞める直前にかかわっていた業種は、電話会社、化学会社、レジャーランド、女性下着メーカー、百貨店、薬品メーカー等がありますが、浅く広くしか活動できずストレスを感じることがありました。
都市型仏壇(つまり現代仏壇)は成功するのかという業界全体の話、ブランドを作るという現代仏壇の広告戦略、そして仏壇本来のあり方について書いているうちに、「卦から晴れの世界へ」というキーワードを見つけました。人々の宗教観が大きく変わったのに業界はそれについて行けてない、つまり仏壇は葬式と同様、卦の世界へと追いやられ忌み嫌われ、家族と先祖が疎遠になっています。仏壇屋が都心で営業しようとしてもおしゃれなファッションビルからは断られてしまいます。お寺のいうままに従来の形式通り仏壇を販売しても消費者は納得しません。地味で暗いイメージから仏壇選びが楽しくなるイメージへと業界全体が変わらなければ、いつまでもこの業界は停滞したままでしょう。選べる楽しさ、祀る楽しさを訴求できたら、仏壇を買い替える人が増えるでしょう。
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