- 江藤 繁
- 有限会社エストア 代表取締役社長
- エクステリアコーディネーター
対象:エクステリア・外構
- 久保田 優一
- (ガーデンデザイナー)
庭づくり・家づくりのちょっとした良い話。vol.5<ゾーニング編>
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今回も前回のお話の続きでゾーニングのお話をしたいと思います。
前回の最後にお話した駐車スペースと玄関の動線や配置には十分な配慮が必要とお話しました。
しかし、現在ではこうしたゾーニングを検討する以前に住宅を購入する時代になっており、
出来上った住宅を購入し、その住宅に住人が合わせて生活する様になっています。
到底検討は出来ないし現況を享受するしかない場合には、
【住み方】を考えながら少しでも利便性の良い暮らしを実現するために工夫するが大切になります。
この【住み方】はその人がその家で暮らすために最善の方法となるので、
人ぞれぞれの方法になるかと思います。
例えば前回の最後にお話した駐車スペースと玄関のゾーニングの酷いケースでも、
買い物からの帰宅時に直ぐに駐車スペースに駐車せずに門の前に駐車(可能の場合)し、
買い物は持たずに子供を下ろして門をくぐり玄関ドアを開けて子供を室内へ入れ、
不安が無い様に玄関ドアを閉め再度施錠し自身は車に戻り駐車スペースに車を入庫し、
買い物袋を提げて玄関に向かい、もう一度解錠して室内に入ると言った作業をとることで、
子供の安全をクリアーにすることが出来、自身も安心出来るのではないでしょうか。
有効的な機能を持たせた住宅を最初から設計出来、工事出来ることはとても幸せな事ですが、
既存の住宅(中古物件・建売物件)の場合に於いても上記の様な工夫を考え実践することで、
有効な住宅利用が実現出来るのです。
こうした発想は室内に於いても有効で、間取りを検討する際にも大きく役立ちます。
朝の陽ざしを受けられる家であれば清潔感のあり、
家族が朝日の中で集まるシーンを想像し家族の価値観が一致すれば
東にリビングやダイニングを設置しその周りにキッチンを配置する事になるでしょう。
また、東のリビングでは一日に於ける光りの強弱が激しいから、
光りの強弱が激しくない場所の方が寛げると言うリクエストがあれば、
思い切って北にリビングを持ってくるのも良いかもしれません。
ヨーロッパなどでは北リビングは多く、
安定した日光を取り入れるのに適した北側が重宝され、
高価な家具の色あせからも守ることが出来るのです。
そうすると南にキッチンを配置することで明るく清潔感があり、
庭で栽培した野菜をちょっと摘まんで料理に活かすなんてこともありですね。
でもこうした空間のゾーニングプランは憧れだけでは上手く行かないものですので、
現在の生活スタイルをじっくりと見つめ住宅プランに落とし込む事が必要なのです。
新しい家にしたら…新居に引っ越したら…新しい事を始めるのではなく、
現在の生活様式を受け入れながら如何に機能性を持たせられるか、
そして機能的になって空間的にも心にも余裕が出来たところで新しいものを取り入れて
ゾーニングの発送をもって新しい物を組み込んでいく事が大切です。
ではでは…。
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