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- 江藤 繁
- 有限会社エストア 代表取締役社長
- エクステリアコーディネーター
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対象：エクステリア・外構
- 久保田 優一
- （ガーデンデザイナー）
今回も前回のお話の続きでゾーニングのお話をしたいと思います。
ゾーニングとはその家や土地の特徴を把握しながら、
そこで住む人の想いや趣味などのライフスタイルを十分に反映し、
より機能的で充実した生活空間を設定する事と言え、
ゾーニングの発想を持ちより利便性を追求していくと
ユニバーサルデザインの観点に立つことになります。
ユニバーサルデザインの考えは簡単に言えば
弱者（子供・お年寄り・障害者等）が使い易い物や仕様は、
一般人にも同様に使い易いと言う事です。
つまりゾーニングを考えそれを整理するとバリアフリーの住宅に必然的になると言う事です。
しかもそれは自分本位のバリアフリーとなるため使い勝手は抜群に良くなります。
これを目指すことが快適な住宅に向かう近道になるのです。
見栄でリビングや玄関を広く取っても使い難かったり、
広くした意味を理解できなければ必要な物ではないことになります。
このゾーニングとユニーバーサルデザインとバリアフリーを結び付けるキーワードは“動線”です。
“動線”とは何かを思いつき行動に移し、目的を果たし終える人の動きと動いた軌道を示したものです。
例えば、リビングでソファーに座っていたところ、トイレに行きたくなりトイレに向かう時
どの様な経路を辿ってトイレに辿り付くかです。
この際に何度曲がり角を曲がり、何度ドアを開け、何度照明のスイッチを点け、
どの位の距離で、どれだけ時間が掛るのかが問題となるのです。
また、その経路で段差はあるのかも重要な観点です。
この全ての事例が少なければ“動線”は小さくて良いですねと言う事になり、
長かったり大きかったすると大変ですねとなるのです。
この“動線”とゾーニングで忘れ易い事例が家周りで良く見かけます。
それが駐車場と玄関の位置関係です。
ゾーニングの発想で考えると駐車スペースは土地の道路に面して入庫出庫がし易い場所になりますが、
この時玄関の場所をなぜか遠くに設定してしまう設計士や建築業者がいます。
建売住宅でも見ることが出来、注文住宅でも良く目にします。
これは、住宅の設計パターンの得意不得意が現れた現象ではないかと思われ
住人からは「ご来客様が家の中を見えない様にしたい」とリクエストしているにも関わらず、
家の中心部に玄関を設けてしまい、駐車スペースからも遠く、
室内も覗かれてしまうレイアウトになってしまう事が多々あります。
このケースは特に南面に道路がある土地のレイアウトとして良く目にします。
酷い場には駐車スペースから玄関にたどり着くまでに一度道路に出なければ行けなかったりします。
これはゾーニングの発想以前にそこで住む住人のことは一切考慮に入れていないと言っているのと同じだと思います。
小さい子供と雨の日に買い物をして帰り、駐車スペースに車を止め両手に買い物袋を提げて雨に打たれ、
子供の安全を道路に出て確認し玄関前の門扉を何とか開けて玄関ドアにたどり着く。
これが日々繰替えされるのです。
酷いとしか言えませんね。
まだまだ続きます。
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