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対象:特許・商標・著作権
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米国特許判例紹介:機械分野における明細書の記述要件(第3回)
~課題に対する解決手段が複数存在する場合の取り扱い~
河野特許事務所 2011年7月26日 執筆者:弁理士 河野 英仁
Crown Packaging Technology, Inc., et al.,
Plaintiffs Appellants,
v.
Ball Metal Beverage Container Corp.,
Defendant- Appellee.
3.CAFCでの争点
争点:強化ビード幅を制限することなく、傾斜増加のみによって金属使用の節約が可能となるアイデアを発明したということを、当業者が認識できるよう明確に開示しているか否か?
記載要件に関しては、米国特許法第112条パラグラフ1に規定されている。米国特許法第112条パラグラフ1[1]の規定は以下のとおりである。
「明細書は,その発明の属する技術分野又はその発明と非常に近い関係にある技術分野において知識を有する者がその発明を製造し,使用することができるような完全,明瞭,簡潔かつ正確な用語によって,発明並びにその発明を製造し,使用する手法及び方法を記載した説明を含んでいなければならず,また,発明者が考える発明実施のベストモードを記載していなければならない。」
パラグラフ1は(i)記述要件(Written Description Requirement)、(ii)実施可能要件および(iii)ベストモード要件の3つを含み、本事件では(i)記述要件が問題となった。
記述要件を満たすか否かは、発明者がクレームされたアイデアを発明したということを、当業者が認識できるよう明確に開示しているか否かにより判断される[2]。
本事件では強化ビードについての実施例の記載が不十分である場合でも、記述要件を具備するか否かが問題となった。
[1]米国特許法第112条パラグラフ1
The specification shall contain a written description of the invention, and of the manner and process of making and using it, in such full, clear, concise, and exact terms as to enable any person skilled in the art to which it pertains, or with which it is most nearly connected, to make and use the same, and shall set forth the best mode contemplated by the inventor of carrying out his invention.
[2] Ariad Pharms., Inc. v. Eli Lilly & Co., 598 F.3d 1336, 1351 (Fed. Cir. 2010) (en banc)
(第4回へ続く)
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