- 清水 康弘
- 株式会社参創ハウテック 代表取締役社長
- 工務店
対象:新築工事・施工
3ヵ月余りが過ぎたとは言え、被災地の復興はまだ課題山積のようです。
このような非常時にバカな政治家達が政局に奔走しています。この国の行方を案ずるばかりです。
さて、昨日は当社の技術部社員(現場監督)7人と共に1、0人乗りワゴン車をレンタルして宮城県入り。(当たり前ですが、全員作業着でヘルメットと長靴持参です。)
まず、NCNさんが運営する利府のスケルトンハウジングへ向いました。
3.11の地震発生時に展示場の2階オフィスにいて、大きな横揺れを体験した現場監督の松岡さんから当時の揺れの様子などをヒアリング。
激震が発生した時は床に這いつくばり、身動きできなかった様子などを克明に話して戴きました。
その他現場の様子など、現実的な体験談は本当にためになります。
その後は津波被害が激しかった女川港へ向かいました。
石巻を流れる旧北上川を渡ると、地盤沈下や切り立った崖が崩れている様子や、津波で流され電柱やブロック塀に寄りかかっている車を多数見る事ができました。地盤が地震の影響で下がったせいか、満潮時には道路が冠水してしまうほどです。
車を進め、内海の万石浦を過ぎ、女川町へ小高い丘を越え、下りかけたところで景色が一変しました。
私も同行した社員たちも絶句です‥‥‥。
津波の凄まじい威力で、鉄筋コンクリートや鉄骨の建物が瓦礫の中で、いろんな方向へ倒れています。
邪魔にならない場所に車を停め、建物に近寄って詳細を観察。
青い空とコバルトの海に全く似合わない光景が・・・。
PC杭ごと引き抜かれ倒れた建物、まるで小枝のように簡単に引き千切られた鉄筋。
さらに地盤が下がり、水没仕掛けた建物。
何処を見ても、特に設計ミスや施工不良があったわけでもなく、教科書通りの施工手順です。
人が長い歳月を経て築き上げた建築を嘲笑うかのような自然の猛威の爪跡だけがそこにありました。
少し前に通って来た丘の道を上り切った辺りにコンビニエンスストアがあり、通常通り営業していました。
そのわずか数十メートル手前が津波で生死を分けた分水嶺とも言える場所です。
ちょうど近くにある高校の下校時間と重なり、コンビニにたむろする茶髪の生徒や友人同士で帰宅する生徒たちと遭遇しました。
何気ない日常と数十メートル向こうにある非日常のそのどちらも、今現実に起こっていることです。
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