本物の木の外壁 - 長寿命・200年住宅 - 専門家プロファイル

鈴木 克彦
株式会社マクス 代表取締役
建築家

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閲覧数順 2024年04月24日更新

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本物の木の外壁

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自然素材の家

写真は、ウエスタンレッドシーダーという「本物の木」と自然素材100%の「本物の漆喰」のコントラストを意識した外壁です。

本物の木というのは、もちろん無垢の木の意味です。

この木は、日本名は「米杉」ですが、銘木の代名詞、木曽五木の「ネズコ」の仲間で、桧に近い木です。

非常に腐りにくく、電柱・枕木・カヌー・外壁材・屋根材などに使われてきました。

この木は、ただ無垢と言うだけでなく、天然木です。
天然木と言うのは、枝打ち等、人の手の入っていない森から伐採された木という意味です。

魚で言えば、養殖と天然物と言ったところでしょうか。

日当たりが悪く、厳しい条件で育つので、木目が非常に細かく詰んでいます。

それだけ強く、腐りにくくなります。


私は、この外壁材が大好きで、予算が許す範囲で、ワンポイントとして少しでも貼りましょう、とご提案しています。

     

もちろん、外壁に木を貼るのは私の専売特許ではありません。
最近では、木製外壁が意匠的に脚光を浴びています。

ただ、流行っているから、目立つから、綺麗だから、お客さんの要望だから…
ただただそんな理由で外壁に木を貼ってはいけないと思います。

本来、住宅に求められることは何か?

私は、家とは、「永く安心して住める」というのが必要絶対条件で有ると思っています。

安全・安心というのは、軽く考えるべきではない物です。

安易に杉板やパイン材などを貼れば、すぐに腐ることは火を見るより明らかだし、ひとたび隣家が火事となれば、これはもう、とんでもないことになります。

それを知ってか知らずか、お客様に説明なしに使うというのは、私に言わせると、もはや犯罪です。


私が外壁として採用しているこの材料は、天然木でありながら、防火性能があり、燃えない安心が負荷された材料です。

この性能は、木材への科学的な処理による性能です。
無機質での処理なので、劣化による防火性能の低下はありません。


そして、その上で、なぜこの木の羽目板を外壁に使うのか?
それは、木が好きだから、と言うのもあるのですが、街並み造りです。

外国に行くと、どなたも感じるのは、街並みが美しい事です。

それは、何を持って美しいのかと考えると、どの家も、木や石やレンガなどの自然な物をさりげなく使う、統一感ではないでしょうか?

その意味では、かつての日本の街並みは、世界に誇る美しさで、外国から訪れた人々は一様に驚嘆したというのは歴史に聞く話です。

白川郷の合掌造りが世界遺産に登録されたのも、統一感のある街並みだからだと思います。
やはり、日本の街並みには、昔ながらの木の家がマッチすると思うのです。


レッドシダーの故郷、カナダの街並みは…
もう一枚の写真は別荘街なので一概には言えませんが、この様に美しい街並みは、形や色は違えど、外壁にどの家もレッドシダーを使っている事から来る統一感そのものです。


そこで日本を振り返ると、
・南欧風のオレンジの塗り壁
・ガルバリウムのシンプルモダン
・和風建築の入母屋住宅
・サイディングのアーリーアメリカンスタイル…
これらが軒を揃える…、こういっては何ですが、節操がないです。

「まことちゃん」の作者が、赤と白のストライプの家を造っていますが、もはや色の暴力と思えます。
あの家の建築請負主が、日本一の木造住宅メーカーを自負するハウスメーカーであるのが残念です。


最近では、小さな分譲地内の住宅をを、みな同じスタイルで作って、統一感を出す、というのが脚光を浴びています。

本当はみんな気付いているんですよね。
個性有る家造りと奇抜な家造りというのは、本当は違う物だと。

 

   施工:株式会社マクス   代表取締役 鈴木克彦ブログ: 【頑張れ四代目日記】

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