企業の人材育成の担当の方からよく受ける質問に「社内の教育はどの階層から実施するべきですか?」があります。
正解は「その企業の状況によって違います」何をテーマにするか?収益の向上なのか、組織力の強化なのか、社員一人一人の意識改革なのか等、企業ごと現時点での優先課題によって実施する階層・テーマが変わってきます。
しかし、一番先に教育を受けるべきはやはり「社長」です。次に経営幹部、教育担当者の順番がいいように感じます。だいたい、社長や経営幹部、教育担当者の多くは「自分は出来ている」「私は大丈夫だ」と思っている方がかなり多くいます。
以前、某企業の社長と研修の打ち合わせをしていた時にこんなことがありました。「大卒の新入社員は幹部候補だけど、高卒の新入社員は作業員だから・・・」と自論を展開していました。ガムを噛みながらです。
このような場合、研修講師としてどうすべきか?悩むところです。受注目前の案件がなくなることを覚悟して「社長、ガムを噛みながら話するとは失礼です」と言うか、背に腹は代えられないので見なかったことにして研修の注文をいただくか。
世間的には有名な人でも、本音と建前・表と裏はどうしても人間だからあります。しかし、そのギャップを縮める努力をしなければどこかでボタンの掛け違いが起きてしまいます。
社長である前に、ビジネスパーソンであり、一人の人です。一人の人として当たり前のことを当たり前にすることは大切です。
ヒューマン・ラーニング 塚本秀寿
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