- 近藤 壯一郎
- 台所計画工房 キッチンスペシャリスト
- 神奈川県
- リフォームコーディネーター
よく、住宅・インテリア関連の雑誌やキッチン関係のウエブサイトなどで「キッチンをプランするときはまずレイアウトを決めるのが基本。レイアウトにはI型、L型、コの字型、云々があって、それぞれの特徴は云々かんぬん・・・」という話が紹介されています。
その影響なのでしょうか、どうもキッチン作りは、まず「カタチ」を決めないと先に進まないと思っている人が多いようですね。
あながち間違いだと言い切ることはできないかもしれませんが(システムキッチンはまず「カタチ」ありきで売れているから)、わたしはそれよりももっと大事なことがあると思っています。
それは、「思い」と「ファンクション」。
なぜ新しいキッチンが必要なのか?どんなキッチンにしたいのか(「カタチ」ではなく)?キッチンで何がしたいのか?という質問に対する答えと説明。これが新しいキッチンへの「思い」であり、キッチン作りはこの「思い」からスタートしなければなりません。
そして次に、作業する人の身体的特徴、料理に関する行為のくせや習慣、調理法やレシピの傾向と好み、キッチンと食卓の関係、家族のキッチンへのかかわり方などについて考えます。これが「ファンクション」ですね。
この「思い」と「ファンクション」を満足させることがまず第一で、「カタチ」はそれに伴ってついてきます。それがたまたまI型だったり、L型だったりするわけです。
先に「カタチ」から入ると、「思い」と「ファンクション」を取り込むときにとても窮屈で、場合によっては取り込めないものも出てくるでしょう。その結果できあがるキッチンは残念ながら「妥協の産物」になりかねません。
キッチンは料理を作る「場所」であって「モノ」ではありません。「モノ」じゃないから「カタチ」もないのです。「カタチ」というのはキャビネットの並び方(ワーックトップの平面形状)をあらわしただけ。そんなに重要でしょうか?
まずは「思い」と「ファンクション」ですよ。
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