住宅にかかわる仕事をしていますと、時のながれの速さをすごく感じることがあります。
先日、中古住宅の診断をして購入されたお客様がふいに訪れてくれました。
しばらくニセコの方にいっていたので、と・・・・・「羊蹄のふきだし湧水」で造られた地酒を持ってきてくれたのです。
そのお客様・・・K さんというのですが、購入されたときが築4年の中古住宅でした。
外壁のメンテナンスの話になり「何年目でメンテナンスをするといいのですか?」と聞かれ「アレ、何年たったんでしたっけ?」と聞くと3年たったとのこと。
K さんの依頼で中古住宅を診断したのは、昨年のことのように感じていたので、3年とは・・・・・・
しばらく会っていない可愛い女の子ももう小学生でしょうか。
時のたつのは早いものです。
「ドアクローザ―の調整方法が分からない」などの、ちいさなご相談まで含めての話ですが、これまで係った住宅は5,000件近くになります。
その中でも、いまだにお付き合いをさせていただいているお客様がいらっしゃいます。
やはり新築にかかわったお客様が多いですね。永い人ですと、20年を過ぎています。
そんなお客様のひとり H さんから2月にお電話がありました。
今年は定期的なメンテナンスである外部塗装をやる予定でしたので、その件かな・・・と思っていましたが、もっと切迫した内容でした。
自宅が火災にあったとのこと、幸いボヤで済みましたので被害はそれほどでもなかったのですが、居間の照明やブラインドは溶けてしまい、壁天井は煤だらけです。
復旧工事を大急ぎでやらないと、とても生活できるような状態ではありません。
消防署・保険会社に連絡をし、次に私のところに連絡したそうです。
電話一本で、職人さんの手配やらカタログの用意などの工事の準備が整うわけですから、H さんにとっては『弘中に連絡しとけばあとは大丈夫!』と、すっかり頼りにされているわけです。
見積りなどは後回しです、とにかく復旧することが最優先。
材料の打ち合わせや、建具周りの打ち合わせなど、H さんと現場でバタバタと行い、決定したものは即発注・・・・
20年前の新築時の打ち合わせを思い出しました。
あの時も、着工予定まではあまり時間がなく、夜遅くまでの打ち合わせを頻繁に行っていました。
およそ2週間ほどで工事も終わり、すっかりイメージが変わった室内に、H さんも喜んでいます。
友人が5年ほど、住宅とはすこし離れた仕事をしています。
ところが、やはり『住宅にかかわるしごとがしたい』と、現在、住宅リフォーム業で起業することを計画しています。
気持ちはすごくわかるのです。
住宅にかかわる仕事はどこか“暖かみ”があります。
しばらくお会いしていないお客様のところへ訪問すると、懐かしさでいっぱいになり、仕事の話よりも近況報告的なことの方が多くなります。
住宅以外の仕事になると、なぜか・・・・ご挨拶もビジネスマナーに載っているような決まり文句になってしまい、疲れを感じるというのが正直なところです。
その点、住宅の場合には、気のおけない友人と話をするような、無理をしないでお付き合いできるという関係でいられます。
そんな“あたたかみ”を感じながら、ず~と住宅にかかわっていられることが、すごくシアワセなんですね。
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