いくら外断熱の壁を造っても、窓から日差しが入り込み、中から暖まってしまえば元も子もなくなります。ペアガラスは、熱伝導による熱の移動には効果がありますが、赤外線をカットする性能はありません。赤外線を、ある程度カットしてくれるガラスもありますが、高価でローコスト住宅には採用し辛いです。やはり、部屋の中に日差しが入り込むのを防ぐ工夫が必要になります。
画像1は何も日除け対策を施していない掃き出し窓です。夏至の正午頃、大阪付近を想定してシュミレーションしました。本当に暑いのは、夏至では無くお盆前後の午後2時から3時頃に掛けてですから、もう少し部屋の奥まで日差しが入り込んでいるはずです。もしクーラーが無ければ、高性能な外断熱でも、何の効果もありません。それどころか一旦暖まってしまった室温を保温してしまい、夜中になっても温度が下がってくれません。
画像2は冬至の同条件の日差しのシュミレーションです。冬にここまで日差しが入り込んでくれたら、昼間はおそらく、暖房器具は不要でしょう。この冬の日差しを損なう事無く、夏の日差しを遮る工夫を考えてみます。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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