- 尾上 雅典
- 行政書士エース環境法務事務所
- 大阪府
- 行政書士
対象:企業法務
- 尾上 雅典
- (行政書士)
- 河野 英仁
- (弁理士)
(序論) 産業廃棄物処理の流れ
産業廃棄物を自力で処理できない排出事業者の場合は、処理業者などに委託をして、自社の代わりに廃棄物を処理してもらわねばなりません。
大まかなその流れをご説明すると
1.委託業者の候補から最適な業者の選定
2.委託先との契約締結
3.産業廃棄物の引渡しと産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付
4.返送されてくるマニフェストの記載確認
5.処理料金の支払い
6.委託契約書とマニフェストの保存
※その他、委託先業者の定期訪問や、行政処分の有無の確認などのルーチンワークが必要となります。
「自社が関与できない局面」と「関与先の数」が増えるほど、廃棄物が不適切に処理されるリスクは高まります。
もちろん、産業廃棄物処理業者の大部分はまっとうな操業をしていますが、上記の2つのリスク要因が増えると、確率論的な意味でのリスクが高まることはご理解いただけると思います。
上記の7つのプロセスは、どれも真剣に取り組むべき行動なのですが、すべてを完璧に実行できている企業はほとんどありません。
廃棄物にまつわる不祥事は、その言葉がかもし出すイメージのお陰で、消費者からは実像以上に悪いことと解釈されがちです。
リスクマネジメントを考えると、自社が制御できないリスク要因をできるだけ潰していく必要があります。
次回以降のコラムで、リスクマネジメント上絶対にやっておきたい事項を、それぞれのプロセスごとにまとめて解説してまいります。
運営サイト 産業廃棄物許可コンサルティングセンター
著書 「最新産廃処理の基本と仕組みがよ〜くわかる本」