お引渡し後のお住まい/気密の経年劣化調査 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

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お引渡し後のお住まい/気密の経年劣化調査

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●高断熱・高気密/オール電化・省エネの住まい造り
高断熱、高気密の住まいは、
何年経っても、高断熱高気密の住まいでなくてはなりません。
新築時は、よい数値を得られても 時間が経ち
壁の中で断熱材がへたってしまったり、壁内結露で落っこちてしまったり、
材料の繋ぎ目などにに隙間が増えてしまうようでは
中断熱、中気密、もしくはそれ以下になってしまいます。

現在の家造りは、長期優良住宅などに代表されるように
長期に持つように造られており、また持たせなければならず、
長く住んでも、快適さや性能が変わらない家を造る必要があります。
お客様も当然のことながらそう望んでいらっしゃると思います。

断熱や気密の性能が落ちれば、家中どこも同じ温度などの快適さが損なわれ、
光熱費もかかるようになり、省エネ住宅ではなくなってしまいます。

さて我々が手掛けるFP工法の家はどうなのか?
断熱材がすぐれていることは無結露50年保証でも証明できるのですが、
気密は時間が経過するとどうか?
現場で行う気密処理、私たちの意識や職人の技術が問われる、少しドキドキの気密再測定です。
最近では、高断熱・高気密住宅の家造りが当たり前になり、お客様も勉強されていて、
お客様から気密の経年劣化について質問をいただく事もございます。
お客様も興味があるところだと思います。


土曜日に、半日かけて、
過去にお引渡しさせていただきました3軒のお客様のお住まいで気密再測定を行いました。
東京大学大学院/坂本雄三研究室の技術補佐員でいらっしゃる服部哲幸さんより、
再気密測定のお話を頂戴し今回実現致しました。

東京大学坂本雄三研究室
http://www.env.arch.t.u-tokyo.ac.jp/sakamoto/

服部さんには、2月の我が自宅の実質Q値測定のときに始めてお会い致しましたが、
それ以降、気密の経年劣化にご興味がおありということが解りましたので、
今回私達にとりましても、非常に良い勉強の機会と思い、快くお受けする事に致しました。
服部さんは、工法別に、最低でも一工法につき5件くらいは気密経年劣化について調査し、
まとめれば、問題提起にもなるのでは?とおっしゃっていました。

私どもも日頃、毎現場ごとに測定しデータは取ってはいるものの、
それが何年か後にどうなるかまでチェックしきれないでおりました。

服部さんは普段は、
イビケンという岐阜県にある住宅建材会社で商品開発のお仕事をされています。
3月までは、東京大学大学院で3年間の博士課程において研究をされていらっしゃいました。
現在は非常勤で週一回、東京大学へ通われていらっしゃるご様子です。

土曜日はおそらく朝一番の電車で岐阜の大垣から出ていらしたのだと思います。
非常にお忙しい様子で、前夜は徹夜だったとか・・。
非常に研究熱心です。
2〜3日東京に滞在され、日曜日には他の現場の測定の予定も入っているとか・・。

私たちは高断熱、高気密を長く施工してきて
これまであった普通の家がスカスカな欠陥住宅に思えるほど
やればやるほど高断熱、高気密に良さにのめりこんできましたが
服部さんも高断熱・高気密にのめりこんでいるのかな〜、と感心してしまいました。

尚、測定条件ですが、新築工事中の条件とは若干違いますが
ほぼ同じような状況で測定しております。

●24時間換気システムは止める。
●自然給気口を閉める。
●24時間換気(第3種)の排気口を外から目張りする。
 (2階キッチンなどで外から目張りできない場合は、室内天井等の排気口を目張りする)
●キッチンのレンジフードは同時給排型でダンパーは閉まっているのでそのまま


測定の一番初めは、平成16年にお引き渡しさせていただきましたK様。
服部さんからお話を頂戴した日に、事務所に遊びにいらして下さっておりましたのでお声をかけさせていただきました。
服部さんは、普通に生活している状態で測定されたいとおっしゃっておりましたので、
今回はいつも通りの状態で測定させていただきました。

平成15年5月にお引渡しの築6年のK様邸
0.5cm2/m2→0.6cm2/m2(相当隙間面積C値)
お住まいの詳細
http://www.assetfor.co.jp/jirei/jirei_06.htm


N様の奥様は、高校の理科/実験担当の先生です。
実験好きです。
N様のご希望の日程には組めなかったのですが、
今回気持ちよくご協力いただきました。ありがとうございます。

平成17年1月お引渡しの築4年半のN様邸
0.4cm2/m2→0.7cm2/m2(相当隙間面積C値)
お住まいの詳細
http://www.assetfor.co.jp/jirei/jirei_05.htm


F様は、ご家族で潮干狩りに行かれておりましたが、
測定を楽しみにしていて下さり、
潮干狩りより早く帰宅し、待っていて下さいました。
お客様あっての測定です。本当に感謝致します。

平成18年3月にお引渡し築3年のF様邸
0.2cm2/m2→0.4cm2/m2(相当隙間面積C値)
お住まいの詳細
http://www.assetfor.co.jp/jirei/jirei_i06.htm


前にもブログ上でお話いたしましたが、
気密の数値は、一般的に3〜4年で新築時の約倍の数値になるのです。
また、建物が落ち着くこの時期に気密の数値も落ち着くようです。

当社は気密測定を世の中が「高断熱、高気密ってなんだ?」っていう頃、
平成6年から気密測定をいたしており、
自主測定ではなく、測定機器を作っているコーナー札幌に当初から測定も依頼しておりました。
信用性の高い過去データを提供できるので、真面目にきちんと測定していて良かったな〜、という思いでおります。

服部さんは、海外の省エネルギー住宅も数多く見ていらっしゃるご様子ですし、
日本でもいろいろな高断熱、高気密の工法について測定などされておりますので
お話も興味深いです。
私は残念ながら今回は話を伺うことはできませんでしたが、
社長の野瀬が服部さんにいろいろとお話を伺って、刺激になった様子です。

新築時の測定にも立ち会っております、
野瀬が今回3軒のお住まいのすべて測定に立会いましたが、
結果は思っていたほど悪くなく良かったので、少しホッとしているようです。

4月に省エネ法が改正され、
性能表示の温熱等級から気密の項目がなくなりました。
気密性能が悪くても等級4の取得も可能になり
スカスカの隙間だらけの家でも省エネ住宅と言えるようになりました。
しかしあえて私達は気密にこだわり、これからもしっかり施工してゆきたいと思っております。


<女性建築士・インテリアコーディネーターと創る体に優しくエコロジーな家づくり>
練馬区と板橋区で高断熱高気密FP工法、省エネルギー、オール電化、
太陽光発電と自然素材を使ったエコロジーな住まいを建築する
地域密着工務店です。
株式会社アセットフォー
http://www.assetfor.co.jp

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