2021年度介護報酬改定の概要①　感染症や災害への対応力強化

こんにちは！介護経営コンサルティング・介護施設紹介「株式会社アースソリューション」の寺崎でございます。

2021年度介護報酬改定の概要について、大晦日位までをメドに何回かに分けて取り上げたいと思います。

今回は、概要についてです。

「審議報告の概要」という資料が厚生労働省HPに公開されていますが、下記のように記載されております。

非常に重要な内容ですので、まず列記した上で、今後各論させていただきたいと思います。

「新型コロナウイルス感染症や大規模災害が発生する中で「感染症や災害への対応力強化」を図るとともに、団塊の世代の全てが75歳以上となる2025年に向けて、2040年も見据えながら、「地域包括ケアシステムの推進」、「自立支援・重度化防止の取組の推進」「介護人材の確保、介護現場の刷新」、「制度の安定性・持続可能性の確保」を図る。　　

と。

上記のうち、「感染症や大規模災害への対応力強化」を図ることが、新たに盛り込まれました。

あとの４つは、基本的にいつもと変わらない。というより、長きにわたる懸案事項ということになるでしょうか。

まず今回は、新たに盛り込まれた「感染症や災害への対応力強化」について。

災害対策については、もともと日本が地震大国ということもあり、また過去にも台風や大雨等による災害も頻発していることから、各事業所でも備蓄を強化したり避難訓練を行う等に取り組んでいると思います。

もちろん、それをさらに強化することは当然として、今回の新たな指針はほぼ確実に「新型コロナ」対策です。

今回の改定では、下記を実行することが義務付けられます（3年の経過措置期間が設けられます）。

①感染症対策の強化

すべての介護サービス事業所に対して、感染症の発生・蔓延に関する取組の徹底を求める。具体的には「委員会の開催」「指針の整備」「研修の実施」「訓練の実施」等である。

②業務継続に向けた取組の強化（BCP)

いよいよ、BCPの本格導入が求められます。

災害発生時はもとより、感染症が発生した場合にも業務が継続できるような体制構築を求める。

具体的には「BCP作成」「研修の実施」「訓練の実施」等。

それ以外にもありますが、大きな点では上記の通りです。

災害対策については、いつ何時起こるかわからないながらも、過去に大災害が発生していることも踏まえ、対策に何が必要かの情報は揃っていると思います。

感染症対策についても、既に介護事業所では十分に行っているはずです。

しかし、今回新型コロナという未曽有の出来事が発生しました。

今後もしばらくは続くと思われますし、対応は必要ですが、如何せん初めての出来事でもあるのでどう対策したらよいかわからない事業所は多いと思います。

国も、ある程度指針を示して下さらないと、なかなか事業所レベルでしっかりしたものを作成するのは困難かと思います。

今後、BCPに向けたセミナーがどんどん増えていくことでしょう。

事業所も、情報収集は絶対に不可欠です。

事業所内でとどまってしまっては、本当に井の中の蛙に終わってしまいます。

外部へ情報を受信して、内部に活かしていけるかが、事業存続のカギの一つとなるでしょう。

次回は、「地域包括ケアシステムの推進」について取り上げます。