「人格」を「向上」するには - 心と体の不調全般 - 専門家プロファイル

銀座泰明クリニック 院長
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市原 真二郎
(カイロプラクター)

閲覧数順 2024年04月18日更新

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「人格」を「向上」するには

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F6 成人の人格及び行動の障害

精神科の治療目標は「人格の向上」にあると申しました。それでは「人格」「向上」するには、具体的にどうすればよいでしょうか。


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東洋の「内観」と西洋の「精神分析」の治療前後における人格の変化を記載しました。精神分析は専門用語が並んでおり、分かりづらいかと恐縮いたしますが、要するに、東西の心理療法とも被害妄想的」な認知から罪業妄想的」な認知へと転換し、最終的に利己主義」を抑制し利他主義」を理想とすること言えるでしょう。より分かりやすく言うと、「私利私欲」を抑え、「世のため人のため」に尽くすということです。

分裂:「良いもの」と「悪いもの」を切り離す
否認:現実を認めず、無視する、「分裂」した一面しか見ない

投影性同一視:対象に投影したものに同一化する、相手を利用し、自分のある側面を体験し、それを内包する、そこに交互作用が生まれ、相手から投影された空想や感情と類似した形で感じたり考えされられたりする圧力を感じる、自分が感じる代わりに、相手に押し付ける形で感じさせる

理想化と脱価値化:対象を「全て良いもの」と見たり「全て悪いものと」見たりする


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その前提として、人格・パーソナリティの構造について、精神分析の概念を紹介しましょう。未成熟・病的な境界性・レベルと、比較的、成熟した神経症・レベルの比較です。一言で申しますと、ストレスを生じた際、それを他者へ投影するか、自己の内側に抑制するかの違いです。被害的・他罰的内省的・罪業的とも表現できます。

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アメリカの心理学者 Gordon Willard Allport は「健康的なパーソナリティ」として1-6のように定義しました。

1. 自己意識の拡大
自己自身だけに集中的に向けられていた関心が、家族・異性・趣味・政治・ 宗教・仕事へと広がり、これにどれだけ積極的に参加し、自己をどれだけ拡大してゆくか。いわば、他人の幸福を自分の幸福と同一視できるほど重要視し、拡大視できるか

2. 他人との暖かい人間関係の確立
家族や友人に対して、どれほど深い愛情を伴う親密さと、全ての人の人間的状態に敬意を払い理解するという、共感性を持つことができるか

3.情緒的安定
欲求不満の状況でもそれを受容するとともに、これをどれほど適切冷静に処理し、安定した精神状態を保つことができるか

4.現実的知覚、技能および課題
歪曲されない正確な現実認識と、真実性への認知の構えをどれほどもっているか。基本的知的能力だけでは不十分で、むしろ高い知的能力をもちながら、情緒的均衡を欠くために、健康なパーソナリティとなれない人も多数存在する

5.自己客観化、洞察とユーモア

自分自身とは何か、自分自身が持っているものは何か、他人は自分が何を持っていると思っているのか、といったことを客観的に知り、洞察しているか。この洞察とユーモア感覚は強く関連している

6. 人生を統一する人生哲学

人生をいかに生きてゆくか、という目標への指向性をどれほど明確にもっているか。そして、人生に統一を与えてくれる哲学、すなわち価値への指向をどれだけもっているか

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「人格者」とは「優れた人格の備わった人物」と定義されます。英語では “Human of character”, “Human of integrity” と表現します。“Character” は「人格・品性」、“Integrity”は「誠実・高潔」を意味します。

具体的には、

正義感が強い、約束・時間を守る
・公平・中立・平等である
・明朗・活発・誠実である
・責任感・向上心が強い
・謙虚・素直であるなど

重要なことは、これらが「努力」で身に付けられるということです。前記しました心理療法や日々の心がけにより「人格の向上」を目指しましょう!


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