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高木 仁
高木 仁
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閲覧数順 2020年07月11日更新

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介護サービス情報の公表制度

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こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。

本日は、「介護サービス情報の公表制度」についてのコラムです。


この制度は、2006年の法改正において、すべての介護事業所について義務づけた公表制度です。

ご利用者様が、自分にあったサービスを選択し利用できるようにするためのツールとして、事業所が概要やサービス内容、従業者の数、加算算定状況、様々な運営状況等を都道府県が管理するシステムが存在しております。


これは介護保険法に定められた事業者(所)の義務であり、これを行わないと指導の対象となります。

この制度を運営するのに、当然ながら公費がかかっています。詳細はわかりませんが、日本全国で恐らく合計で億単位のお金がかかっていると思われます。

しかもこの制度、国が定めたガイドラインに基づき調査票を毎年提出するのですが、公表するのに手数料(7~8千円程度)を支払わなくてはなりません。また、数年に1回訪問調査もありまして、その場合の手数料は3万円弱位になります。



利用者様が、ご自身にあったサービスを選択できるようにすることは、当然必要です。どうしても、利用者様(ご家族様)は制度のことがわかりませんし、どういうサービスを利用するのがよいのかわからないケースがほとんどです。弱い立場の側に立って物事を整備することに対し、反対する人はいないでしょう。


しかしながら・・・

あまり国の制度を批判するのはよくないのですが、この制度には非常に疑問が残ります。

正直言って、本来の目的に沿って運用されているとは思えないのです。


と申しますのも、例えばご自身の親が介護状態になって、ケアマネさんやヘルパーさんのサービスが必要となったとして、このシステムを活用している方が一体どれくらいいるのか、ということです。


少なくとも私が知る限り、活用している方はほぼいないと言っても過言ではないと思います。


介護が必要となった場合に、まず役所(あるいは地域包括支援センター)へ行って最初の相談をし、居宅介護支援事業所を複数紹介され、ケアマネさんを選定し、そこから複数のサービス事業所の紹介を受け、プランが固まっていくというのが通常のパターンです。


この「通常の方法」が果たして最良の方法なのかどうかは、私にもわかりません。

しかし、情報公表システムには確かにいろいろ詳しく情報がありますが、それをもって利用者が選択できるかといえば、非常に厳しいと思いますね。こんな表向きの情報だけでは、まず判断できませんよ。


実際にサービス利用を検討するのであれば、やはり実際に関係者に会い、試して(介護サービスの場合、お試し利用には制限がありますが)見なければわかりません。どんなサービスも同じではないでしょうか。


それから、口コミ。ケアマネさんはいろいろ情報を持っています。数十人の利用者様を担当されているケアマネさんなら、その数倍のサービス事業者と関わっているわけで、そういう方からの客観的な情報は貴重で、それに勝るものはないと考えます。


ですので、介護サービス情報の公表制度の目的は、利用者様の選択に資するための情報検索サイトというよりも、事業者が定期的に自事業所の運営状況や取り組みについてしっかり見つめ直し、整備することという風になっていると思うのです。


制度自体を否定はしません。

しかし、本来の目的通りに活用されていないのであれば、私はこのような制度を継続させる必要があるのかと、疑問に感じてしまうのです。


「情報公表が、事業所の取り組みや運営状況を定期的に点検させるためにも有用だ」というのでしたら、それは実地指導を強化させればよいことです。


今年はコロナの影響もあり、集団指導等がなかなか開催できませんが、今後落ち着いてくればまた行われてくるでしょう。集団指導のほかにも、自治体レベルで「自己点検シート」を活用した運営点検を事業所に実施させ、書類を提出させたりしています。運営状況を点検するという目的ならば、情報公表制度でなくてもできるはずです。情報公表はそもそも、それを目的に設計されているわけではないのです。

訪問調査の対象となった事業所は、通常業務の傍らでいろいろ準備に追われます。

有益なことであればそれは必要ですが、本来の目的に活用されていないのであれば、単に同じことを何度もやらされているに過ぎず、業務過多以外の何物でもないと思います。


繰り返しますが、制度の趣旨そのものは否定しません。

しかし、事業所の運営を適正化することが真の目的になってしまっているのであれば、それは行政指導を徹底すればよい。手数料を徴収するのであれば、それを実地指導や集団指導のために使うべきです。不正なことをする事業所を一層するために使うべきです。


「利用者の選択に資する」ためであるならば、はっきり言って現行の情報公表システムは形骸化していると私は思います。国の施策ではなく地域レベルで、もっと有用感のある仕組みを作れるはずです。


文章を書いているうちに、ますます情報公表システムの必要性がわからなくなってしまいました。


税金で事業を行うのであれば、もっと現状に即した仕組みを作っていただきたいと思います。



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(東京都 / 経営コンサルタント)
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有料老人ホーム施設長・訪問・通所介護管理者・老健相談員、事業所開発等の経験を活かし、2007年7月に弊社を設立しました。介護施設紹介サービスをはじめ、在宅・施設介護事業所の開設・運営支援・実地指導対策支援を行っております。

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