
- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- クリティカルシンキング/バイリンガル教育
アメリカが Free fall です。
落ちて行くアメリカが止まりません。
トランプの白人至上主義、自分への暴力はダメだけど自分に反対する者への暴力は礼賛する醜い政治に立ち上がったアメリカ。
民主主義の終焉を見ている気分です。
カナダにも同じ動きが広がっています。
特に有色人種への差別、警察官の暴力が目につくケベック州モントリオール、そしてオンタリオ州。
BC州のバンクーバーでも大規模なデモと、商店の破壊や略奪が起こっています。
「軍を投入してデモ隊を殺してやる!」と叫ぶトランプについてのコメントを求められ、21秒沈黙したカナダのトルドー首相。
重い21秒でした。
炎と煙を上げて燃え落ちていくアメリカを南に見ながら、さて、カナダはここからどこに向かうのでしょうか。
長い長い軋轢のある人種問題は、今後カナダでも社会変革の主舞台に出てくることになります。
さて、留学生、留学希望のみなさん、そして送り出す親のみなさん。
現在アメリカを揺るがせている「人種問題」「民主主義の崩壊」に蓋をして「英語が出来るようになりたい」「子供が希望するから」などの旧態依然たるのんきな考えでは、これからの留学は成り立たちません。
留学先の国が「人種問題」「民主主義」にどんな態度を取っているのか、白人以外の民族にはどんな意識を持っているのかを無視しての「留学」はあり得ない時代にいよいよなりました。
1.BC州バンクーバーでも Black Life Matters の大規模デモ
日曜の午後、約1,000人が反人種差別を唱え Art Gallery 前に集結。
“No justice, No peace.” を叫びました。
モントリオールのデモでは暴力に発展。
バンクーバー警察は午後6時まで近辺を封鎖。
“I hope this is just the start. I hope this is just the beginning of a larger conversation and a larger movement.”
「これはほんのスタート。これから本当の対話が始まり、もっと拡大した運動が始まる。」
始まります。
2.BC州の学校が6月1日から一部生徒の登校を始めたニュースに「わぁ〜い!」と本当の事情を何も考えず喜んでいる留学生はいませんか?
「6月1日から登校開始」ではなく、どんな一歩を踏み出せるかの実験だと思って下さい。
すべての生徒が希望するとは限りません。
特に週1回という高校生たちには厳しい選択です。
学校側も果たして今週は何%の生徒が戻ってくるのか、予想もつかないそうです。
予想範囲は、生徒全員のうち15〜90%が戻るかどうか、だそうです。
これは予想というよりは、「諦め」に近いです。
「ま、全員が戻ってきたらPhysical Distancingは不可能になるので。。。。」と、学校も先が読めない状況です。
6/1の出席状況は、招待された生徒のうち40%以下だったそうです。 (CBC)
例えばMathのクラスに3名とか。
教師自身も反対派がいます。
自身の職場環境の安全が確保されていないという理由で、学校に戻るのを拒否している教師もいます。
今のところ、10人に1人の教師が(BC州)学校でではなく、オンラインで教え続けることを希望しているという事実からも、登校しても自分のコースの教師がいないということにもなります。
6/1現在、やはり10%の教師は学校に戻りませんでした。
かなりの親も反対。
子供の安全のため、まだ登校はさせないという親が多いです。
モントリオールで始まった実験的登校により、2日目に学校内で41名感染者が出た事実も、子供を登校させたくない親が多い理由だと思われます。
この2週間程、学校で何が起こるか、どれだけ効果的な分散授業が成立するかを実験したのち、9月からのHybrid教育の指針とするのが目的の今回の実験登校。
ま、高い授業料を払っている高校留学生の面倒みるという目的ではありませんので、要注意。
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今日のバンクーバーは冷たい雨が降っています。
さて、留学についても非現実的な夢をみている場合じゃないですね。
ひとつひとつ着実な一歩をどう進めるか。
相談しましょう。
Dream, it’s only a dream. And it’s fading…
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