- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- クリティカルシンキング/バイリンガル教育
ホームステイには実に多くの問題が起こります。
放ったらかしで何もしないホストも問題ですが、構われすぎると実はもっと困った状況に陥ってしまいます。
日本人高校留学生はとても「幼く」思われていますので、「この子を構ってあげなくちゃ!」と張り切るホストも多いですが、実はそれが留学生自身には結構な負担となります。
そこから抜け出すには、留学生本人がもっと精神的に自立し、ホストと十分な大人のコミュニケーションを取れるようになることが重要です。
【質問】
カナダに高校留学をしにきている高校二年生です。
ホストファミリーについての相談をしたいです。
私のホストファミリーはキリスト教で、ホストファザーが牧師さんなので毎週日曜日は家の近くの教会に行きます。
ですが、先週の水曜日の夜(6時半くらいから)ホストマザーと、同じ留学生のホストシスターと一緒に、ある方の家に行きました。するとそこには現地の子6人くらい(小学高学年から高校生の男女)と会を開いている女の方(30歳くらい)がいました。あと、学校同じの留学生2人もいました。行く前までは何をするのかあまり理解ができていませんでした。リビングに椅子が丸く置いてあり、みんなでそこに座って自己紹介やゲームをしました。
ホストマザーがこういう会はコミュニケーションをとるから英語も学ぶにはすごくいいよと言っており、確かに留学生にとってすごくいい機会だと思いますが、私は正直行きたくありません。英語だから嫌なのではなくあるメンバーが嫌なのです。ストレスになりそうです。
また、その会が終わり会を開いてる女の方とホストマザーの話が長すぎて、家に帰ったらすぐシャワーを浴びて寝るという感じなので、毎日宿題が出されてそれをやるのにも時間かかり、その時間は放課後の1時間半くらいしかないです。流石に終わりません。授業の復習もちゃんとしないと授業についていけないですし。
なので、出来るだけその会には行きたくないという事をホストファミリーに伝えたいんですけど、こういう事を言う事は失礼に当たると思いますか?また断る時に、正直に理由を言った方がいいでしょうか。
【回答】
夢と希望を抱いて高校留学し、ホームステイも「まぁ当たりかな?」という家庭に落ち着いて、10月になると学校の勉強がどん!と大変になり。
色々な悩みが相次いで出てくる時期ですね。
30年近くに渡り、高校留学生の相談にのってきました。
カナダ、バンクーバー在住です。
ホストファミリーにも様々な家庭があります。
ご相談のようなホストは結構多いですね。
キリスト教活動に関与しているホストの場合は、自分の子供達も含めYouth Groupと呼ばれる集会への参加を勧めるケースが多いです。
(カナダではキリスト教でないホストの方が少数派です)
特に宗教に関係ない活動もあるようですが、主には教会主催のボランティアや行事への参加などが多いです。
グループで出かけたりという事もありますので、友達のいない留学生には絶好の機会ではあるのですが、少々問題があります。
ご相談にもあるように、留学生が絶対確保しなくてはいけない学習時間を取られてしまうことが多々ありますね。
ホストが善意にやってくれてるんだから、断れない。
ホストと行動を共にしていないと嫌われるかもとNOが言えず、本来の目的である勉強時間を確保出来ずジレンマに陥った留学生が結構います。
ホストはおそらく善意でやっていると思いますが、キリスト教の宗派によっては、アジアから来た留学生をキリスト教に勧誘したいという目的も見え隠れします。
一番大切なのは、留学生自身が丁寧に礼儀正しく断ることですね。
勉強時間を確保したいというのは決して失礼な理由ではありませんから。
ただし、カナダのホストは、日本の高校生が勉強しすぎると思っている場合もあるので要注意。
英語圏で育ち、言葉に不自由ない高校生なら、留学生のように時間をかけなくてもある程度の成績は取れるのが高校です。
なぜ日本の留学生がいつも必死で勉強しているのか、不思議に思い、むしろ不健康だと考えるホストが大多数であることも知っておいて下さい。
以前に直接ホームステイに関与していた頃の、ホストからの頻繁な苦情は「夜遅くまで勉強しすぎ」でした。
日本のみなさんには考えられないような苦情ですよね。
日本ならむしろ褒められることなのに。
そのような文化・習慣の違いを丁寧に説明し、留学生とホストとの関係を良好に保つのが仕事でもありました。
非常に神経を使う仕事でしたよ。
また、キリスト教関連でなくても、勘違いをしているかな?と思えるホストもたくさんいます。
本当に善意なのでしょうが、週末の予定がぎっしり。
ディナーも親戚や知り合いをめぐり、留学生が休日ほっと出来る空間が確保出来ない場合もあります。
勉強時間を確保したい場合にははっきり事情を説明し、理解してもらうことがとても大切です。
そうでないと、1年の留学生活は学校とホストの板挟みになり「ホストの前では良い子」「学校では良い生徒」の2つの顔を行ったり来たりで疲れ果ててしまいます。
自分の時間、自分のスケジュールは自分でコントロール出来るようになる。
これも親元を離れて留学した生徒が乗り越えるべき大きな壁だと思いながら30年経ちました。
Good Luck!
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このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (クリティカルシンキング/バイリンガル教育)
- Super World Club 代表
Be Bilingual
カナダ在住。カナダからオンライン講座カナダクラブ提供。留学生へのアカデミックサポート(エッセイ指導)留学希望生へのアカデミック準備 (Reading, writing, エッセイ基本)Critical Thinking指導、最新の理論に基づくBilingual Education特別提供中。
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