
- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
カナダの大学留学
今の世界に必要なスキルがほぼ手に入るとても魅力的なルートです。
クリティカルシンキングの国で、世界をリードするA.I.分野、コンピューターサイエンス分野があり、社会全体にStory Telling 能力のあるカナダ。
専門分野を極める深さ世界1流。
また、日本人留学生には、専門分野を母国語と英語で運用出来る能力は大きな魅力。
そのカナダで高校までトップレベルの知的・社会的能力を付けた若者が集う大学。
世界からもカナダを目指して頭脳が集結する今。
みんなが望んでほしいようなカナダの大学留学です。
が。
大きな問題があります。
費用です。
留学生はカナダ学生の約3倍の学費を払います。
税金で成り立つ高等教育ですので、カナダで税金を払っていない留学生は高い学費を払うのは当然。
しかし、高いです。
例えば、University of TorontoのComputer Scienceの1年間の学費は$51,500。
カナダドルですので、現在のレートだと約¥4,300,000です。
これが4〜5年かかるとなると、生活費なども含めると相当の出費となり、誰でも希望すれば大学留学が可能な状況ではないですね。
そこで、奨学金が大きな役割と果たすことになります。
日本の国も、民間を含めると様々な大学留学の奨学金がありますが、「帯に短し襷に長し」という現実にそぐわない制度が多い気がします。
トビタテに至っては、ままごとのような「留学の定義を履き違えている」奨学金だと、非常に残念に思います。
ひとつ、カナダの国が用意している奨学金をご紹介。
カナダのトップクラスの奨学金、The Loran Scholars Foundation awardには今年はカナダ全国から5,023名が応募、現在83名が最終選考過程に残っています。
そのうちの幸運な34名が手にする奨学金とは、4年間の学費として$100,000。(でかい!)
どんな高校生に資格があるかというと”inner drive, tenacity, grit, kindness, humility!”。
「強い自己動機、粘り強く諦めない資質、やりぬく力、社会全体へのやさしさ、謙虚さ」を持った学生。
しかも、学業はトップクラス、リーダーへの潜在能力、社会への貢献度、自分らしさを周りに認められている高校生。
つまり、日本でよく言われる進学校の優等生では資格なしです。
学校でトップの成績を維持しつつ、社会活動に参加し、自分の周りの社会にいかに貢献出来、問題解決に至るかを常に行動に移している業績が大きく評価されます。
最終選考に残ったある高校生のことば:
“What I do have is a real passion for improving my community and, as an extension of that, the world around me. I believe that my eagerness to solve problems and aspiration to make a difference, is why I should be selected.”
カナダへの高校留学を目指す日本人高校生には、この言葉をよく噛み締めてほしいと切に思います。
これがカナダの高校生像です。
こんな仲間入りをしたい!自分も同じような挑戦をカナダの社会でやってみたい!と思ったらカナダ高校留学をする価値は十分あると思います。
そうでない場合? カナダに来る意味を間違えていますね。
サイトには留学生が応募可能かどうかは明確には記されていませんが、下記の要件を満たしたならばそこからのスタート。
通っている学校も、教育委員会も大きくサポートしてくれるはず。
The criteria to apply includes an 85 per cent minimum average in high school and a reference letter from a teacher, community member, or someone familiar with the applicant’s activities — not a family member or friend.
成績は最低85%平均、教師、コミュニティ、普段の活動をよく知る人(家族・友達以外)からの推薦状があれば応募は可能。
とても魅力的な奨学金ですね。
大学からカナダに来る学生には、まずは入学を許可された大学に相談してみることが第一歩。
もちろん、日本での学業成績、社会活動、群を抜く課外活動などの実績は大いに必要ですから、心して中身の濃い高校生活を送って下さい。
くれぐれも塾漬け、長い時間だけの部活漬けの高校生活にはならないように。
Good Luck, 日本人高校生!
このコラムの執筆専門家

- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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