- 山本 雅暁
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
- 神奈川県
- 経営コンサルタント
対象:新規事業・事業拡大
- 下村 豊
- (経営コンサルタント)
日経記事;『アマゾン、全品にポイント 囲い込み競争激化 1%以上 出品者負担に反発も』に関する考察
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こんにちは。
2月23日付の日経新聞に、『アマゾン、全品にポイント 囲い込み競争激化 1%以上 出品者負担に反発も』のタイトルで記事が掲載されました。
本日は、この記事に関して考えを述べます。
本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『アマゾンジャパン(東京・目黒)は5月下旬から、インターネット通販サイトの全商品で購入額の1%以上をポイントとして還元する。従来はアマゾンの直販など一部の商品だけだったが、外部事業者の出品にもポイントを付与する。消費者の利便性は向上するが、費用は出品者の負担の上、自動的に設定するとしており、公正取引の観点から議論を呼びそうだ。。。』
この記事は、アマゾンジャパンが、国内インターネット通販専業事業者との競合に打ち勝つために、ポイントを購入顧客に付与するサービスを打ち出そうとしていることについて書いています。
アマゾンのインターネット通販サイトには、マーケットプレイスと言われる場所に出店事業者が出店しているところと、アマゾンがメーカーから直接購入して再販しているところがあります。
今回問題になっているのは、この記事によると、マーケットプレイスに出している企業に一律に、かつ一方的にこの付与するポイントを、出店事業者に要求していることにあります。
アマゾンジャパンが、出店事業者の事前同意無しに、ポイント付与とその費用を負担を一方的に押しつけているのであれば、独占禁止法の「優越的地位の乱用」にあたる可能性を述べています。
国内中小企業が海外へ販路開拓・集客を行う上で、今やインターネット通販の利用は、必要不可欠なものになりつつあります。
国内中小企業が米欧アセアン地域などの海外ヘインターネット通販事業を行う場合、アマゾンのプラットフォーム活用は、最も有効な選択肢の一つになります。
但し、アマゾンヘの依存度を過度に高めると、今回の記事が事実であれば、アマゾンジャパンの一方的な要求に従う必要が出てきます。
これは、アマゾンのような巨大なプラットフォーマーの仕組みに、あまりに頼っていることのリスクになります。
私は、自分の支援先企業には、過度にアマゾンのインターネット通販事業に頼らずに、自社の英語版Webサイトにカート機能を付けて、並行して自前でインターネット通販事業を行うやり方を勧めています。
自社商品・サービスの知名度が向上すれば、BtoCおよびBtoBの両タイプのビジネスの顧客は、自社の英語版Webサイトのカートに当該商品・サービスを入れてくれるようになります。
もちろん、自社で海外向けインターネット通販を行う場合、海外向け営業、決済、輸送手配、輸出手配、通関手続きなどを自前で設定、あるいは行う必要があります。
私は、今までの経験から、海外向け事業を本格的に行うためには、自前で上記のような海外事業を行うための、基本的なプラットフォーム構築が必要であり、有効であると確信しています。
海外の顧客に、自社商品・サービスを知ってもらうには、米Google.comの検索エンジンで上位表示されるようになる必要があります。
米Google.comの検索エンジンで上位表示されるようにするには、自社の英語版Webサイトのコンテンツ(文字情報や図、写真など)を、充実させて、合理的・客観的に、かつ分かりやすく書くなどの不断の努力が必要です。
このような作業を継続的に続けていれば、自社の英語版Webサイトが、米Google.comの検索エンジンで上位表示されるようになることができます。
同時に、自社商品・サービスが、競合商品と比べて、新規性、差別化・差異化ポイントなどを持っていることが、大前提になることを理解しておく必要があります。
自前の英語版Webサイトで情報発信を行い、自社のサイトで海外向けインターネット通販事業を成功させている企業の中に、マスコミなどで取り上げられているのが、「株式会社メトロール」です。この会社は、産業機械の精密位置決めセンサーで、世界市場でトップクラスのシェアを持っています。
https://www.metrol.co.jp/
自前で海外向けインターネット通販を行う企業が、参考とすべき企業の一つです。
よろしくお願いいたします。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁
このコラムの執筆専門家
- 山本 雅暁
- (神奈川県 / 経営コンサルタント)
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上
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