- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
未だ、このような非現実なことを考える親がいるんですね。
子供さんの登校拒否そのものにもっと目を向け、親として真剣に一緒に寄り添うどころか、外国に捨てよう!には、絶句します。
「登校拒否生」狙いのエージェントもかなりいますので、その詐欺にもコロッと騙される親は、この類いなのかと呆れています。
(質問)
今中学2年で不登校です
環境を変えたいと思って留学したいとおもって、いろいろ調べましたがあまりわかりませんでしたなのでオススメのサイトやお金はいくらかかるかなど教えて下さい
(回答)
カナダからの忠告です。
1994年以来、カナダに来る日本の優秀な若者の支援を行っています。
日本の制度でうまくいかないお子さんは、絶対「留学」すべきではありません。
そのような子供だけをカモに、「不登校からの留学」などと謳っているエージェントも結構ありますが、こちら現地でやっていることは驚くほど無責任ですので、それも念頭においてください。
1.「留学」特に「高校留学」は、下記の条件を備えた子供にのみ可能なものです。 ましてや中学生となると、もっともっとハードルは高いです。
・日本の教育制度で、成果を上げ、自分の能力を最大限に発揮出来ていること
・日本の学校でも成績はトップクラスであること
・自己動機が強く、精神的に大人、そして何よりタフであること
・英語のクリティカル・シンキングの基本を理解していること
・中学レベルの英語文法は問題なく使えること
・親に依存していないこと
・親が過保護でないこと
まだまだ親の保護が必要な未成年が、異文化・異言語の国でひとりで勉強するのは、想像を絶するほど困難です。
それに耐えて、成果を出せるのは上記条件を備えた子供のみだと、よくご理解下さい。
30年近くのカナダでの経験から強く忠告させていただきます。
2.登校拒否理由が何であろうとも、まず、その状態を克服してから次への一歩を考えて下さい。
登校拒否状態を抜け出せてもいない子供を、親のいない、言葉の違う、社会の常識もすべて異なる国に放り出し、他人の家に住まわせること。
これがどれだけのストレスになるか考えて見て下さい。
日本の学校にも行けない子供を外国にひとりで放り出すのは、3歳児をひとりぼっちで交通量の多い高速道路に捨てるようなものです。
3.英語圏の国々の「高校留学事情」はひどいものです。 「中学生」になると、更に「文句を言えない金づる」として扱われることになります。
つい最近もこのようなコラムを書いておりますので、ぜひお読み下さい。
これが現実です。
カナダの「高校留学制度」は穴だらけーカナダのメデイアCBCがようやく現実を報道
「発達心理学」を勉強した立場からも、現在の子供さんの状況を親の目で分析し、親として何が出来るかを、よく考えることから始めることをお勧め致します。
「留学エージェント」の嘘に騙され、子供さんの将来への可能性を台無しにしないよう、熟考下さい。
このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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