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天使と悪魔 2 杉村太蔵の失言に思う、人の誠実さと世間のバッシング

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前回に続き「天使と悪魔」
を題材に人の表の顔と裏の顔について書いてみます。
「ウロボロス」
からの関連でもあります。

天使と悪魔では、様々な事情を抱え、平穏な日常で幸せに暮らす表の顔と、罪悪感を抱きながら何かを隠して生きる裏の顔を持った人々が描かれています。



職場で3人仲良しトリオを演じつつ、
その中の1人をいじめ抜く2人の主婦。
そしていじめに耐えられなくなって自殺した妻の復讐の為に、いじめた2人を殺害し、何食わぬ顔で平穏な毎日を装う夫。
本来優しくて優秀な医者であるにもかかわらず、医療ミスで患者を死なせてしまい、
父親である病院の医院長の期待を裏切るのが怖くて、
看護婦にミスをなすろうとしてしまう青年医師。
世間的には良い親を演じながら、幼い娘を執拗に虐待していた親。そしてその娘を助けるため、両親に説得しに家へ乗りこむも逆に罵られ、思わずその両親を殺害してしまった孤独な画家。そしてその自分を助けてくれた画家を、自分が大きくなってからも慕い、
殺人の罪から守るために警察にウソを付き続けて来た、結婚を間近に控えたかつての娘。



観ていて、誰が見ても「こいつ悪人だろう!」という犯人ばかりでなく、感情的には共感できる罪人たちが、登場します。

そして、事件を解決し、検挙率を上げたいばかりに検察庁の偉い人からの命令で、真犯人でなくても良いから誰かを逮捕すべく、そんな登場人物たちに

「あなたが、あの人の罪を証言してくれたら、あなたがウソを付いていた事は罪には問いません。だから本当の事を言っちゃって下さい」

と悪魔の様なささやきで、司法取引を持ちかける茶島弁護士。





エピソードの中では、一番利己的で悪い奴に司法取引を持ちかけ、それに応じた為に一番酷い奴だけが助かっちゃったりする話もあり、なかなか奥深く、かつやりきれない、切ない気持にもなるドラマでした。



そしてそんな不条理な法的裁きに反感を持ちつつ捜査に当たる正義感が強い女性刑事を剛力彩芽さんが演じ、その剛力さんのひたむきさに、段々感化されて行くのが渡部篤郎さん演じる茶島弁護士でした。






一般的に「表裏の無い人」と言うと、好感度が高い良い人という人をイメージします。

しかし、実際に「表裏の無い人」が、表裏の無い言動をすると世間からはバッシングを受けてしまう事の方が多いように感じます。


例えば、先日「しくじり先生」に
人生でしくじった先生として、元衆議院議員の杉村太蔵さんが登場し、
生徒たちに「こんなしくじりはするな!気をつけろ!」と授業をしました。

杉村さんと言えば若干24歳で代議士になり、なったとたん
「早く料亭にいってみたい」とか
「念願のBMWが買える」とか
失言をしてしまい、世間の大バッシングを浴びてしまった人です。

私もその失言に対して、
「国の為に働く代議士が、なんだその発言は?バカじゃないか?」
と思ったものでした。

なぜバカじゃないか?と思ったかと言えば、

心の中でそう思うのもわかるけど、ひんしゅくを買うのがわかっているのにそれを公のインタビューで言っちゃうなんて、「バカじゃないか?」と言う想いです。

つまり世間体を考えたりっぱな代議士としての感想では無く、
正直な議員に成り立ての若者の感想を、ただ正直に発言してしまったのですね。


ですから、しくじり先生の教訓として、
「ちゃんと世間体を考えて発言するべき。思ったことを正直に言ってしまうようなしくじりはするな!」
と言う教えをするのだろうなと想像していました。

ところがです!

ところが太蔵さんはそんなバッシングの中、何を思っていたかと言うとずっと
「うるせぇ!」
と思っていたと言うのです。

授業の中で一番訴えたいのは、バッシングに合っても、心の中で
「うるせぇ!」
と思っておけ!と言うのです。

聞いていた生徒役のお笑いの人も「大丈夫ですか、今の発言。現在進行形でしくじって(失言して)しまっていませんか?」と笑いながら突っ込まれていました。




太蔵さんはそもそも大学を中退して、ずっと仕事もなく、ようやく得た仕事が清掃の仕事だったそうです。ある有名な外資系の証券会社の清掃を任され、掃除していたのですが、
冷房が利いて涼しいはずにもかかわらず大汗をかきながらきれいに掃除している太蔵さんをみた証券会社の外人の上司が
「君は将来、出世できる人物だから、うちの会社に入らないか?」
と声をかけ、証券マンになったそうです。


議員になってからも太蔵さんは失言問題こそありましたが、別に仕事を怠けたり、不正をしてしまったりした話は聞きません。
きっと政治家としての仕事はきちんとやっていたのかも知れませんね。
ほとんどニュースにはなりませんが。


思うに、太蔵さんは本当に「表裏」のあまりない、正直な性格の方なのではないでしょうか?


「結婚してから、浮気とかないんですか?」と生徒から質問されます。

「気をつけていますから」と答える太蔵さん。

「えっと・・・それは気を付けて浮気なんかしないようにしていると言うことですか?それとも浮気はしているけれど、バレないように気を付けている、ということですか?」と再度聞かれ、

「表沙汰にならないことは、無い事と同じです」

と苦笑しながら答えていました。


ある意味それが真理でもあるでしょうし、ほとんど「浮気してます」と白状してしまっているようなものですから、笑えます。

でも、返答として「浮気しないように気を付けていると言う意味です」と答えておけば、無難ですし好感度も上がる模範回答であるはずです。
裁判じゃなくて、なにもバラエティなんですから、危険を冒して真実を言う必要もないでしょう。



とことん正直なんですね。
ほんと。
なんだか太蔵さんが好きになってきました。




自分に不誠実でも、世間体を取って良い人と見られるように振る舞うか?世間体は悪くなっても、自分にも周りにも正直でいる方を取るか?
これも天使と悪魔の選択ではないでしょうか?



大義名分という言葉があります。

大いなる目的の為には、小さなことには眼をつぶる。

人から好かれる為には、多少ウソをついても良い人を演じても良いではないか?確かに僕もそう思います。


司法取引と同じです。
事件を解決する為には、多少の罪には眼をつぶって、犯罪者を逮捕する事を優先する。


でもそれってどうしても「表裏」がある人になるわけです。



表裏を使い分けて行かないと、世の中渡って行くのが難しいのですね。良くも悪くも。



ただ、そうした風潮が高まり、誰も本当に思っている事が言えなくなってきているように感じます。


最近、テレビが面白くなくなった、と言うことが良く言われますが、
それも世間的な倫理感とかを盾に常識を振りかざして、
クレームやブログを炎上させる一部の人達がいるせいで、
「思ったことが言えない」
「やりたいことが、思い切ってやれない」
ために、無難な番組しか作れないようなことが原因だろうと思います。


最近では「世界の果てまで行ってQ」と言うバラエティ番組で、女性お笑い芸人の大島さんが、出産の場面をテレビでオンエアーしたことで、物議をかもしました。

批判的な意見の人は
「子供が産めない人が見たら、不快な気分になる。
テレビで、女として子供が産めたたことを自慢するのはやめろ」
みたいなことらしいです。


本当に子供が産めない事で辛い思いをしている人本人が、
「テレビを見ていて辛かった」と言う気持ちになったなら仕方ないでしょう。

しかし必ずしもそうではないかも知れません。

ネット上の意見では、
「こんな非常識は許しませんよ」と、まるで世の中の代表みたいな大義名分を振りかざして批判する人も多くいるのではないかという意見もあるようです。

ひょっとすると大島さんが個人的に好きじゃなくて、テレビで人気者になるのを面白くないと感じている人も多いのかも知れません。

それは人それぞれの感覚ですから、どう思おうと仕方ないと思うのですが、
そんな個人的な気持ちも、大義名分みたいに、世間の代表みたいな位置づけにして人を批判する風潮があるのではないでしょうか?
昔からかも知れませんが。

批判する方も、批判される事を恐れているので、個人の感情ではなく世間さまの大義名分があるかのような意見として、「ごもっとも」と思われる様な意見に作り変えて発言するのです。

そもそも、本当に見て辛くなるのは心情的には無理もないかも知れないが、
それは個人的な感情であるから、だったらチャンネルを回せば良いだけしょう、との意見も。


今これを書いている私でさえ、
「自分はこう思っている」
と正直に書いてしまうと、そうは思わない人たちから大きなバッシングを受けてしまう可能性が怖いから、
ネットではこんな意見もありましたよ、と防衛して書いているわけです。
常に防衛しながら、表と裏を使い分けて行かなくてはならない世の中。
生き辛いですよね。

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