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閲覧数順 2017年06月24日更新

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紙の月 女性が自分の殻を破る瞬間

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恋愛心理 自己受容

紙の月 2014年作品

ストーリーだけを言えば、至ってシンプルなお話で、

どこにでもいそうな奥さん(宮沢りえさん)が、若い男性(池松壮亮)と出会ってしまった事で、勤め先の銀行のお金を横領して、大金を貢いでしまうのですが、それがバレて、旦那さん(田辺誠一)も捨て、今の生活から転落する、と言う話です。

監督は、『桐島、部活やめるってよ』などの吉田大八さん。

若い男性役の池松さんは、WOWOW・TBS共同制作のドラマ「MOZU」で、双子の殺し屋役を演じた方で、我が家では「モズっ子」と勝手に呼んで(笑)、その演技力を絶賛しております。

舞台は1995年バブルが弾けた直後くらいでしょうか。

実際にそんな話がニュースでもあったかと思います。


ところが、色んなテーマや要素が詰まっており、
見る人によって随分印象が変わって観える映画ではないかと思います。

ネタばれになってしまいますが、この映画の繊細な演出をご紹介するために、ほんの少し内容に触れてみましょう。

映画の紹介文など読むと、奥さんに無関心な旦那さんと書かれているようですが、別に関心が無いような描かれ方はしていないと思われます。



宮沢りえさんが、初任給をはたいて、彼女にとっては大金の時計を、しかも旦那さんの分までペアウオッチで買ってきます。当然旦那さんを喜ばせたいと思っているし、自分でも自分の給料で買ったわけですから、誇らしく思ってもいるでしょう。

ところが田辺さんは、「う~ん。この時計はゴルフの時にでも着けていくよ。カジュアルな時計だから、ちょうど良いね」みたいに言います。

しかも後日「カルティエ」の時計を宮沢さんにプレゼントし、「君もそろそろ、そのくらいの(グレードの)時計を身につけても良いんじゃないかな、と思って」とにっこり微笑みます。

宮沢さんがその時計を着けて職場に行くと、同僚の大島優子さんが、
「お金を扱う職場だから、行員の生活ぶりとか上司に観察されていますよ。だから急に羽振りの良いモノを身につけると目立ちますから、職場では外しておいたほうが良いと思いますよ」

というような意味のことを忠告されてしまいます。

そして、そうした出来事が引き金となって、宮沢さんは、若い男性と不倫することに踏出してしまいます。



どうでしょう?

宮沢さんも田辺さんも、お互いに愛情はあるし、それを表現もしています。

見る人によっては田辺さんの行いに対し、「えっなんで?何か悪かったの?」と唖然としてしまう男性も多いのではないかなと思いました。

女性が観ても、
「えっ!カルティエの時計をプレゼントしてくれる旦那様なんて、素敵じゃないの!なのになんで!?」
と思われる方もおられるかも知れません。

その位、非常に繊細な「心のすれ違い」が描かれているように思います。

女性でも、「俺について来い」的な男性像を求める方もおられるでしょう。

今でこそそんな男性像は崩れ去ったかも知れませんが、まだバブルの頃は、そんな男性像が主流だったように思います。

ですから、そんな男性像を理想としていないこの映画内の時代設定の宮沢さんは、余計、生き辛い世の中だったかも知れません。


そうした意味で、分かる人にはわかるし、分からない人にはわからない心理かも知れません。そうした微妙な、人の機微は、「桐島、部活やめるってよ」でも細かく描かれており、吉田監督ならではの映画作りなのだと感じます。



これは私が、男だから、つい旦那さんの立場で観てしまうからかも知れません。

ただ、奥さんの「細かい感情の襞」みたいなものには、気付いてあげられない旦那さんだろうと思います。




もう一つの大きなテーマとして、
「常識の枠組に捕らわれ、やってみたかったことを押し殺して生きてきた人が、自分の殻を破る瞬間が描かれた映画」
とも言えるものです。

このテーマはかなり分かりやすいセリフや場面が随所に出てきます。

これもネタばれですが、宮沢さんと池松君の二人がまだ愛し合う前に、地下鉄の反対車線で再開して、お互い見つめ合うシーンが出てきます。

お互い無言のまま、やがて電車が来て、宮沢さんはこのまま電車に乗り込んでしまうのかな?と思わせた次の瞬間、「一夜を共にする覚悟をした」宮沢さんが、池松君が居るホームに階段から登場します。

場面だけを見れば、ただ女性が階段を降りてくるのをスローモーションで撮っているだけなのですが、この瞬間がまさに「自分の殻を破る瞬間」であり、鳥肌が立つような大変印象深いシーンとなっています。


そしてラスト近く、猟犬のような臭覚で、宮沢さんの不正を嗅ぎつけ追い詰めた先輩行員・小林聡美さんと、対決する場面があります。

続く




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