- 堀江 健一
- カウンセリングルーム エンパシィ 代表責任者
- 東京都
- 恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー
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邦画「紙の月」を題材に「人が自分の殻を破る事」に関して、書いています。
ラスト近く、猟犬のような臭覚で、宮沢さんの横領事件を嗅ぎつけ、追い詰めた先輩銀行員・小林聡美さんと、対決する場面があります。
今までは何とかバレないように隠蔽してきた宮沢さんでしたが、観念して言い放ちます。
「私を男に金を貢いで破滅した、惨めな女だと笑っているんでしょ! 」と。
それに対し、小林さんは
「あなた、自分を惨めだと思っているの!でもあなた、自分がやってみたかったこと、色々やったんでしょ!」
「あたしなんか、昔から徹夜で遊んでみたいって思ってるけど、そんなことさえやれていないんだから、やってみたいことやったあなたは、惨めなんかじゃないんじゃないの!?」
と返します。その会話の直後、宮崎さんは自分に対する考え方が180度変わったようで、一層非常に大胆な行動に出ます。そこがまたかっこいいんですよ!
やってみたいと思いながら、やれない事。
誰にでもそんなものが1つや2つあるのではないでしょうか?
「親の言いつけを破る事」
「人にNO!と言う事」
「あなたはこういう人」と言う他人が自分に張っているラベルをはがして、自分の今までのキャラには無かったさまざまな事をやってしまう事
「自分に出来るかなぁ?」と自信が持てずに、一歩踏み出して行動できずにいる事
今までの自分の自己イメージにない、新しい自分になってみる事
などなど・・・。
人それぞれのテーマのようなものがある事でしょう。
そんな人それぞれの「やってみたいけどやれないでいる事」を実際やるには勇気が必要と思われます。
大抵それをやれないでいるのは「恐怖心」がある場合が多いのではないでしょうか?
自分を変える、やった事の無い事をやってみる、と言うのは大変怖いものです。
今の自分でいてもなんとかやれているのですから、あえて変えるというのは、そのリスクを考えると、「まっいいや、今のままで」と楽な方へ考えるのも人情ですよね。
しかし、上の小林さんの例で考えてみると、「徹夜で遊ぶ」なんてことは、やっている人は毎週1日位は徹夜で遊んでいるものかも知れません。
なのに小林さんは出来ずにいる。
他人からすれば「簡単な事」でも、本人からすれば難しい事があるものです。
「徹夜」さえできない小林さんは、かなり不自由と言えるでしょう。
きっと小林さんに組み込まれた「世間的な常識」からすると、
「徹夜で遊ぶなんて、不真面目な人がする事」と言うような観念があって、
「自分は真面目でなければいけない」というような縛りがあるのでしょうね。
それをやるのが、平気な人は全然平気でやっていることなのに、出来ない人には途轍もなく無理な事柄だったりするわけです。
まぁそれが個性なのですが。
①「やりたいことを、やれるようになる事」
②「やりたいことでも、自分にはそう出来ない理由がある。そんな自分を認めてあげて、やれなくても仕方ないじゃないかと自分を納得させる事」
カウンセリングなどの、悩み相談を解決する目標として、究極的にはこのどちらを選択するか?ということでもあるように思います。
①の場合、自分の行動や気持ちにブレーキを掛けてしまうような、何らかの観念が影響していると考えられます。
そうした場合その観念に自分で気付き、変えていく必要があるでしょう。
小林さんの場合は「真面目でいなけれなならない」という観念です。
もっと元を辿れば、真面目でいなくてはお母さんが悲しむ。「お母さんの期待を裏切りたくない」というような縛りがあったりします。
②の場合。例えばその「お母さんの期待を裏切りたくない」という気持ちはやはり大切にしたい、と思われた場合、やはり
「やりたい気持ちは強いけれど、罪悪感の方が強く感じてしまう。だからお母さんのことを優先にしよう。
だから、徹夜なんてあえてしなくても良いや」
なんて思えて来るかも知れません。
自分がやれない理由が、自分で納得できれば、さほどもう悩みには思わなくなったりするものです。
また「それでも徹夜したい」。それがお母さんから自分が「自立する」という意味があるのだ!
と思えれば、より「徹夜」をしてみる動悸付けが強まり、それをする勇気がもっと持てるようにもなるでしょう。
こう書くと、①か②かどちらか選ばなければならないように思われてしまうかも知れませんが、カウンセリングを通していくと、自然とどちらが自分にとって良い事か、自分で判断できるようになるものです。
また、「出来なくても仕方ないや」と思えたときに、返って気持ちが軽くなって、あれほど出来ないと思っていたのに、ひょいと殻を破って出来てしまう事も多いものです。
いずれにしても「出来ずにいるやりたい事」を出来るようにするには、ある程度の時間や準備、段階を経る必要があるものです。
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このコラムの執筆専門家
- 堀江 健一
- (東京都 / 恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー)
- カウンセリングルーム エンパシィ 代表責任者
何より優しく共感を持って、あなたの味方になります
2021年公認心理師(国家資格)取得13年間で1万人以上の相談実績を基に、深く人を理解し心のもつれた糸を解きほぐします。恋愛が出来ない、自己否定感、人と接するのが怖い、夫婦間の亀裂など、人間関係全般、アスペルガーの方の社会適応などのご相談。
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