強い家造り  10 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

中舎 重之
建築家

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対象:住宅設計・構造

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強い家造り  10

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      Ⅱ 軸 組 編

    1:土台

  土台は柱が負担する軸力を、土台を介して基礎へ伝達する重要な役割を担っています。

柱の軸力とは、固定荷重、積載荷重、積雪荷重(鉛直荷重)による長期荷重と、

風圧力や地震力(水平荷重)により生ずる短期荷重とを合計した上下に働く力を云います。


  軸力に関する土台と柱の話です。

柱を120mm角で、土台を105mm角とする設計においての妥当性を数値にて検証します。

120角のスギ材の柱で、座屈長さ2850mmとすると、長期許容圧縮力は44.7kNになります。

此に対して105角のヒノキ材の土台の長期許容めり込み耐力は38.3kNです。

この場合の柱の軸力は38.3kN迄を負担するとして計算します。

  基本的には土台の幅は、採用する柱と同寸で有るべきです。ちなみに、

土台を120角にすれば、長期許容めり込み耐力は49.6kNとなり、

柱の耐力は、本来の力の44.7kN迄使用できます。

此の様に、上の材料が100%の力を発揮できる様に下の材料が支える事が

構造設計においての基本になります。

柱の種類には、1階から2階まで1本の材を用いるのを「通し柱」と云い、

各階ごとに切れ切れで使うのが「管柱」と云います。


 サイズを揃える話です。

通し柱が120角なら、管柱も120角、土台も120角にしたい。

理由はホールダウン金物を取り付ける際の芯ズレを少なくしたいからです。 

1階にスジカイ45x90を使用します。外壁側に面を合わせると、  

スジカイ45mm+金物幅40mmの芯は(45+40/2)=65mmとなります。

土台が120角ですと5mmの芯ズレですが、

土台が105角ですと(65-105/2)=12.5mmのズレが起きます。   

土台の内側は(105/2-12.5)=40mmの残りになります。

此の寸法では施工のミスは許されません。

ミスがあると土台が割れる事態も有り得るからです。

管柱の105角の場合でも同様です。 サイズは揃えるのが最良です。


 

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