- 中舎 重之
- 建築家
対象:住宅設計・構造
当方が主張する剛床仮定が、完璧な形で昭和2年に実施されていたのです。
当方は驚きを通り越し、ただただ敬服し頭を下げました。
これは、頭領が地震の対策として創意工夫をして、技の限りを尽くした事が形に現れています。
頭領の意気込みが直接伝わる力作です。
今日、吾々に一番欠けているのが、地震に対する意識と創意工夫、
それと頭領が見せた意気込みです。
妙に数字に拘り数字にもてあそばれている、昨今が恥ずかしく感じました。
ネタレスの話です。
水平構面の剛性を高めるには、一般的にネタレスとして大梁の上面に、
構造用合板の厚さ24mmか28mmを貼ります。
貼り方はタガイチガイに貼るチドリにして下さい。
釘はN75、ピッチ150mmで四周打ちとします。
当方も当初910x910mmの升目で梁配置をして構造用合板を貼って居ましたが、
床版の中央が若干ひずむ感がありました。
今では、中間の455mmに落としネダを入れた設計をしています。
ネタレスでなくなった、お話です。
2:小屋組
小屋組の水平剛性には、胴差レベルで火打ち梁を入れる事と、
屋根の勾配面で構造用合板をチドリ配置をし四周釘打ちを行う事です。
問題は別にあります。胴差の水平面と屋根の勾配面の間に小屋組としての空間がある事です。
切妻屋根では、桁行き方向の傾斜防止に棟梁と小屋束とで小屋スジカイを設ける必要があります。
小屋束の足元を繋ぐ振止めも忘れないで下さい。
さらに、勾配方向にも屋内で三角形の壁も配置して下さい。
妻側の外壁には壁面が構成されますが、屋内は忘れがちになります。
和小屋では、モヤを受ける小屋束が910mm間隔であり、
勾配部にはタルキが有り、水平部には2階の壁を受ける梁で三角形が出来ます。
小屋裏の壁配置は、大工さん任せになります。
設計者が意識して図面化をして下さい。
最後に、桁行き方向の胴差レベルで、幅910mmで天井に構造用合板を貼る事で、
桁行き方向の風圧力からの変形が、かなり抑えられると考えています。
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